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前回の続き 「やー提督ー」 「お、北上か。ちょうどいいところに」 「ん? あたしに何か用事でもあったの?」 「いや、この間の事なんだけどな」 今言っているのは以前大井に北上から好意を向けられていると勘違いされた件だ。 「……本当にちゃんと説明したんだろうな」 「あーそれがさぁ」 ──────────────────────── 「あーいたいた大井っち。昨日のことなんだけどさぁ」 「きっ北上さん!? いいの!何も言わないで!!」 「大井っち?」 「わかってた……わかってたのよ私だって!!」 「あ~わかってたんならいいや」 ──────────────────────── 「って感じでわかってたらしいよ?」 「いや、それ絶対わかってないだろ」 「そうかな? なんかあったの?」 「遠征の旗艦に任命したら殺されそうな視線で睨まれてな」 「ほうほう」 「『私を遠ざけている間に北上さんを手篭めにするつもりね!?』とか泣き叫び始めてな」 「わーお」 「駆逐艦の連中がドン引きしてたぞ」 「災難だねぇ」 「いや、半分位お前のせいだろ」 「あははー、どうしたもんかねー」 「どうしたもんかねーってそれ俺のセリフだよ。とりあえず大井に寝首を掻かれるのは勘弁願いたいんだが」 「あたしもアブノーマルな趣味じゃないよーってことは言っておいたほうがいいよねぇ」 「どうしたもんかなぁ……」 しばらく二人で頭をひねる。 「お、そうだ」 北上がポンと手を打つ。 「なんか妙案でも思いついたか?」 「うん、あれだよ。あたしと提督が付き合っちゃえばいいんじゃない?」 「はぁ?」 「公認てことになればさすがに大井っちも自重するだろうし、あたしも変な誤解されずにすむしさ」 「いや、ていうかお前それでいいの?」 「ん? 別に嫌じゃないよ? ああ、提督が嫌だった?」 「いや、別に俺も嫌じゃないけどな」 「じゃあ、それでいいんじゃない?」 「なんだか微妙にコレジャナイ気がするんだが……まぁいいか」 かくして提督LOVE勢が発狂しそうな過程を経て北上と付き合うことになったのであった。 「で、付き合うことにしたわけだけどどうすんの?」 「どうすんのって言われてもなぁ」 恋人的な触れ合い…… ──────────────────────── 提督「ははは~待ってよマイハニ~」 北上「うふふ~捕まえてご覧なさい~」 ──────────────────────── 「ないわー」 「だよねー」 そもそ北上とイチャついているという画がイマイチ想像できない。 「やっぱり私の思っていた通りね!!」 その声と同時に反射的にしゃがんだ瞬間、頭のあった場所を砲弾が通りすぎる。 「あ、大井っちおかえりー」 「ちょっと待て、殺す気か」 「はい、まさか避けられるとは」 「あっさり肯定するな! っていうか予定より3時間くらい帰ってくるのが早いだろ」 「ええ、北上さんを提督の毒牙にかけさせないように全速力で往復してきましたから」 「全速力って……それ持ち帰った燃料分消費してるだろ」 大井の後ろで第六駆逐隊の面々が地面にへばって死にかけている。 「はい、北上さんの身の安全には変えられませんし」 「遠征の意味がねぇ……」 頭を抱えたところで北上が口を開く。 「あーそうそう、大井っち。あたし提督と付き合うことになったから」 「え!? い、いつの間に!?」 「えーと、5分くらい前?」 ピシッっという音ともに大井が石化する。 「だからさー大井っちも親友なら祝福して……って大井っち?」 「だめだこりゃ、完全に固まってる」 大井の目の前で手を振るが彼女は全く反応しない。 「しかたない、一息ついたらドックに放り込んどいてくれって……うわっ!?」 さっきまで息絶え絶えだった駆逐艦たちが目を輝かせたり潤ませたりしながら詰め寄ってくる。 「し、司令官と北上さん付き合ってたの!? ど、どこまでしたの!?」 「司令官もなかなかやるね」 「お、大人なのです……」 「グ、グスッ……あ、暁は一人前のレディなんだからそんなこと聞いて取り乱したりしないんだからっ!」 「いや、どこまでも何も5分前の出来事だと……」 「やっぱ駆逐艦うざいわー……」 「納 得 い き ま せ ん !!」 「うぉっ!? 意外と復活早かったな」 「北上さんの言葉は信じますが提督の言葉は全く信用できません!!」 「いや、そこまで言いきられるとさすがに傷つくんだが」 「ならばその証拠をここで示してみてください!!」 「いや、具体的には?」 「北上さんを本当に愛しているのなら魂の篭った言葉を私に見せてください!!」 「え、それでいいの?あーじゃあ『北上愛してるー(棒』」 「わーい(棒」 「全っ然ダメです!」 駆逐艦達がキャーキャー言う中あっさりとダメ出しされる。 「魂どころか気持ちの欠片も篭っていないじゃないですか!!」 「ああもう、めんどくさいな……北上ー好きだー!」 「全くなってません!!」 ────10分後 「そうだ! どうせ聞こえるなら、聞かせてやるさ! 北上! 好きだァー! 北上! 愛しているんだ! 北上ィー! 鎮守府に来る前から 好きだったんだ! (省略されました。全てを読むにはここをクリックしてください) 」 「クッ……」 「ゼーゼー……」 肩で息をしながらどこかで聞いたことのあるような長い上にこっ恥ずかしい告白セリフを言い終える。 「フッ……私の負けね……北上さん、提督はどうでもいいですけどあなたの幸せを祈っているわっ!!」 「ちょっと待て、あそこまで言わせておいてこっちはどうでもいいのか……」 走り去る大井を顔を真っ赤にして告白を聞いていた駆逐艦の面々が追いかけていく。 「はー……疲れた」 「あははー、お疲れ様。でもさー、さっきのはさすがに恥ずかしいかなー」 「言ってるこっちはもっと恥ずかしかったと思うぞ」 「まーそうだよねー」 「そうだよねって……わっ」 突然北上が胸のしがみついてくる。 「おい、北上?」 「まぁでも、ちょっと嬉しかったかな?」 そう言うと顔を上げて笑う。 (あれ、なんか可愛いぞ……っていうかコイツこんな顔も出来たんだな) 不意に見せられた北上の笑顔にドキっとしてしまう。 「まー誤解も解けたみたいだしめでたしめでたし。んじゃお礼」 「お礼?」 「そ、今度は唇にチューしてあげる」 「いいのか?」 「まぁ付き合ってるんだしいいんじゃない?」 「そっか」 流れに任せて北上に顔を近づけると北上が目を閉じる。 そのままこちらも目を閉じて柔らかな唇にこちらの唇を合わせる…… カシャッ! 「!?」 「青葉、見ちゃいました!!」 口付けの態勢のまま固まる、さすがに北上も固まっている。 「昼下がりの情事! 北上さんをめぐる提督と大井さんのドロドロの三角関係!! こ、これは大スクープですよ!?」 静かに顔を離し、笑顔を作って青葉に声をかける。 「青葉、お前これから解体な」 「20射線の酸素魚雷、2回いきますよー」 「えっ、ちょ、まっ……キャー!!」 そんなこんなでかろうじて青葉の口をふさぐことには成功したのだった。 北上と付き合うことになってから1ヶ月、特に変わったことはない。 最初のうちこそ結構な注目を浴び 大井はなんとか諦めてくれた変わりに何故かその他複数の艦娘から殺気を感じていたりもしたが 二人共特に何かするでもなくこれまで通りだったため、いつの間にか普段の日常に戻っている。 以前と変わった点といえば…… ガチャ 「おかえりー」 「おー、ただいまー」 ここ2週間くらい前からたまに北上が私室に勝手に入り浸っていることがあるくらいだ。 最初に見たときは部屋を間違えたのかと思ってかなり慌てたのだが 「何してんの」 「こっちの部屋の方がくつろげるし」 とのお言葉を頂戴した。 まぁ確かに仮にも提督の私室なのだから寮よりは広いし床も絨毯引きだ(寮はフローリング)。 「あんまりそういうの良くないんじゃね?」 「いーじゃん付き合ってるんだし」 と任務が終わった後とかに勝手にゴロゴロされている。 まぁこちらも着替えは更衣室で済ませるし 取られたり見られて困るようなものがあるわけでもないので面倒なので放置している。 重要書類なんかは執務室で施錠して保管しているので問題ないだろう。 そんなわけで帰ってきたら北上が部屋にいるのも慣れてしまっていた。 「そういや雑誌届いてなかったか?」 「あーこれ?」 「それそれ、って人の荷物を勝手に開けるな。しかも読むな」 「まーまー気にしない気にしない、っていうか提督もこういうの読むんだねぇ」 「いや、どういうのだよ」 「『闇に隠された悲劇 艦娘へのセクハラ疑惑を追う!』」 「俺が読んでるのは連載されてる漫画だ」 「ああ、この『ファム痛クリアコミック GUNこれ』って奴?」 「そうそれ」 北上が読んでいる雑誌は定期購読している雑誌で内容は基本的にくだらないゴシップ誌なのだが 連載されている漫画が好きなので月一で送ってもらっている。 銃から転生した漢達の熱くもくだらない日常を描いた漫画だ、面白いぞ、本当だぞ。 「というわけだからそれをよこせ」 俺専用座椅子に座って北上に催促する。 「えー、あたしも今読みはじめたばっかなんだけど」 「そもそも俺が買った雑誌じゃないか」 「ん~、じゃあ一緒に読む?」 「まぁそれでもいいけど」 「ほい」 そう返事をして北上が近づいてきた。 ポフッ 「んじゃ読みますかー」 「おい、人を座椅子替わりにするな」 「仕方ないじゃん、座椅子それ一つしかないんだし」 人を背もたれにした北上が悠々と雑誌を開く。 北上は背も低く雑誌を読む分には特に問題はないので諦めることにした。 「おおっ、なんかわけわからない理由で争いが始まったんだけど?」 「一応史実ネタが入ってるらしいからそれなんだろ、詳しくは知らん」 そんなやりとりをしつつとりあえずGUNこれは読み終わった。 「じゃあ目当ては読み終わったからどいていいぞ」 「えー、こっちのほうが本読むのに楽なんだけど」 「ふてぶてしいなおい」 「まーまー、読み終わったらどくからさ」 「まぁたまには他の記事も読んでみるか……」 そんなこんなでどかなさそうなので一緒に記事を読むことにした。 「ん、どうかした?」 「いや、なんでもない」 (しかしやっぱつまらん記事が多いな……それにしてもちょっとマズイ) 記事がつまらないのは予想の上だったので特に問題はない。 問題なのは今更ながら気づいたこの態勢だった。 さっきまでは漫画に気を取られていたからいいのだが よくよく考えると思いっきり北上と体を密着させていた事に気づく。 しかも膝の上とかではなく文字通り密着しているため、股間の上にちょうど北上が座っていることになる。 記事がつまらないので余計に北上の体温やら体つきが気になってしまい さらに間の悪いことに最近処理していなかったせいで少しずつ股間に血が集まり始める。 (とりあえず我慢だ俺……我慢我慢) 読み終わればどいてくれるだろうから……そう思っていると北上の手が次のページをめくった。 『闇に隠された悲劇 艦娘へのセクハラ疑惑を追う!』 (おいぃぃ!?) 記事の内容はとある鎮守府で一際激しいセクハラを受けたという 匿名M型駆逐艦2番艦Kさんという艦娘へのインタビューだった。 ───ではKさん、普段の言動を曲解した提督が激しいセクハラを行ってきたと? K「はい『ああ、お前の言うとおり俺は好きモノだぞ? へっへっへ……いつでもいいんだろう?』 なんて言いながら毎日のように執務室で体中をまさぐられていました……」 ───執務室でですか!? 職場で取る行為とはとても思えませんね K「はい、でもそれだけじゃなくてドックでお休みしようとするとベッドの中に侵入してきたり」 ───公僕であるというのにそのような振る舞い、それ以前に人として言語道断ですね 具体的にはどのような行いを? K「はい、背後から太い魚雷(意味深)をグリグリ押し付けながら 逃げられないように押さえつけられて執拗にお尻を撫でながらそのまま指をずらして私の恥ずかしいところを(以下略)」 「提督ー……」 「……うん、言いたいことはわかる。すまん」 すっかり元気になった息子が北上のお尻、というかアソコのあたりをグリグリ押している。 なんでよりによってこのタイミングでこの記事に当たるんだろう。 「提督ってもしかして欲求不満だった?」 「まぁ……最近は少し」 隠してもしょうがないので正直に答える。 数秒間お互いに沈黙。 「あー……うん、あれだ。抱き枕のマネくらいならしてもいいよ」 そっぽを向きながら答える北上の好意に甘えて腰に手を回して少し強めに抱き寄せてみる。 テントが北上の下着と擦れ、下着と太もものあいだに位置を移動する。 ちょっとだけ北上の体がビクっとはねた。 「……北上?」 呼んでみるがどこか心ここにあらずという感じで雑誌を見つめている。 見てみると頬がほんのり赤く染まっている。 「北上」 もう一度呼ぶと体をビクッと反応させながらこっちを向いた。 「な、なにさ。ていと───ンっ」 振り向いた北上の唇を塞ぐ。 硬直する北上の体だが、片手で頭を撫でてやるとだんだん力が抜け始める。 唇を離すと数秒間惚けていた北上が抗議の言葉を口にする。 「提督ー……いきなりするとかちょっとずるいよ?」 「悪い、やたら可愛かったから」 「いや……あたしはその、可愛いとかいうガラじゃ……いや、嬉しいけどさ」 「嫌だったか?」 「いや……あ、そう言う意味じゃなくてその……嫌じゃなかったけどさ、ただ」 「ただ?」 「この態勢だと首が痛い」 「じゃ正面向くか?」 「……ん」 腕の力を抜くと体の上で器用に態勢を変えてこちらに抱きつく格好になる。 動きが落ち着くのを待ってからもう一度北上の体に手を回す。 「なぁ」 「ん?」 「続きがしたいって言ったら怒るか?」 「……別にいいよ……嫌じゃないし」 「そっか」 そう言いながらもう一度唇を塞ぎゆっくりと北上の口内に舌を入れていくと おずおずとした感じで北上の舌がそれを迎える。 「ん……ちゅっ……レロッ……ちゅぱ……」 北上の舌の感触を楽しみながら彼女の背中を優しく撫でつつその手がだんだんと下に降りてゆく。 (雑誌だとこんな感じだったか……) 北上の小ぶりな尻をそっと、だが執拗に撫で回す。 時折体を震わせているが特に抵抗しようとはしていない。 (次は……) 尻を撫で回していた手を止め、中指を下着の上から北上の割れ目に滑らせる。 北上の体がビクっと反応し、尻肉よりも柔らかでそして少し湿った感触を指先に感じる。 (やっぱりさっきので少し興奮してたのか) まぁ硬くなったものを押し付けられながらあんな記事読んでれば多少なりともこういう反応にはなるのかもしれない。 ゆっくりと焦らすような動きでしばらく割れ目をなぞっていると北上の腰が微妙に動き始める。 おそらく無意識の動きなのだろうが、まるでアソコを指にもっと押し付けようとしてるようだ。 (ではご期待にお答えして) 下着をずらしながら人差指と薬指で割れ目を広げ、既に愛液の染み出している柔肉の内部に中指の腹を擦り付けてやる。 「ッ────!!」 その瞬間北上が唇を離し、大きく体を仰け反らせる。 そのまま指に愛液を絡みつかせながら秘裂をゆっくりと往復させると 北上は崩れ落ちまいとこちらの首に手を回し顎を肩に乗せて必死に歯を食いしばる。 「ぁっ……くぁ……っふぁ……んんっ……!」 北上の髪の感触を頬に感じながら十分に愛液に塗れた指を肉芽に伸ばす。 丁寧に皮をむいて指先で刺激してやると腰が浮き、北上の口から懇願が漏れる。 「て……とく……そこ……ダ、ダメだっ……あうっ!!」 だが断る、と言わんばかりに小刻みな動きで責め続け ダメ押しに人差し指と中指で挟んだ瞬間。 ビクッビクッ! 北上の体が一際大きく跳ね、こちらの手を愛液で汚しながら脱力した。 「……あー、死ぬかと思った」 「悪い、やりすぎた気がしなくもない」 脱力した北上から聞こえてきた声にちょっと罪悪感を感じながら謝る。 「ホントだよ……って、わっ」 北上の視線を辿るとそこには先ほどより更に膨らみ、今にもズボンを突き破らんとする勢いのテントが立っていた。 あんな痴態を見せられたのだ、こうもなるだろう。 「えーと、とりあえずどうすればいいのかな」 「よければ手でして欲しいなー、とか」 「うー、仕方ないなー。まぁさっきの仕返しもしたいし」 そう言いながらチャックに手を伸ばす北上、多少手こずったが口を開けて取り出すことに成功する。 ブルンッ! 「うわ、グロッ!」 「グロいとか言うな、一般的にはこういう形のはずだ」 おそらく本物を生で初めて見た北上の感想にため息をつきながら答える。 「んで、コレどうすればいいの?」 「いや、つつくな(これはこれで気持ちいいが)。あれだ、手で握ってしごいてくれ」 「こんな感じ?」 ヌチャッという音とともに北上の手が肉棒を包む。 「なんかヌルヌルするんだけど」 「そういうもんだ、男も女も同じだろ」 そう言って北上の愛液に濡れた指を見せる。 ギュッ! 「イテッ! そんなに力入れるな、痛いだろ」 抗議するが北上はそっぽを向いたまま息子をしごいている。 顔が赤くなってるところからすると割とさっきのは恥ずかしかったらしい。 「じゃあ、仕返しとは言われたが黙ってやられるのもアレだから勝負な」 そう言って気を取り直し、愛液が滴っている北上の秘部に手を伸ばす。 「ヘっ? 勝負って……っ!!」 ツプッ……という音ともに指が一本北上の中に飲み込まれる。 既に充分濡れそぼっていたそこは指をゆっくりと飲み込んだ。 そのまま出し入れを開始する。 「ッ!……先にイッった方の負けな」 北上の手から与えられる刺激に耐えつつ指を前後させる。 ギュッ…… 北上を見ると空いた手でこちらの服をつかみ、目をつぶって顔を真っ赤にしながら指の刺激に耐え 必死に肉棒をしごいている。 (ヤバ……かわいい) 普段とのギャップのせいで更に肉棒が大きくなる。 (だが負けん!) 北上の手の温もりに耐えつつ肉壁の中を指で掻き、さらに指をもう一本追加してやる。 北上も断続的に腰を浮かせながら必死に肉棒をしごき お互い無言で喘ぎ声だけをあげながら相手に快感を与えるために手を動かす。 「……で、出る…!!」 「……くぅっ───!!」 指が性感帯を掻いた瞬間北上の手がギュッとカリを締め上げ 膣内から愛液が吹き出すのと同時に膨張した肉棒から勢いよく白濁液が放たれた。 お互い余韻に浸りながら荒い息を整える。 「う~ドロドロする~」 「そういうものなんだから仕方ないだろ」 精液で汚れた手を涙ながらに見る北上。 まぁ初めて見るものだから仕方ない、そう思ってると北上の視線が泳いでいることに気づく。 「どうした?」 「いや……その」 珍しく歯切れが悪い。 「最後まで……しないのかなーって」 ここまでしておいてなんだがさすがに無理やりするのは本意ではない。 「や……北上が嫌じゃなければしたいかなー……と」 「ま、まぁあたしも提督が嫌じゃなければいいんだけどさー……」 「それはない」 そう言いながら抱きしめる。 「わっ! ちょ! 提督、今汚いって!」 手についた精液のことを言っているのだろうが 「あぁ、明日洗濯に出すから大丈夫」 「そういうもん?」 「そういうもん」 一連の流れのあいだにここしばらく欲求不満だった分身は期待に胸をふくらませて復活している。 北上の腰を掴んで跨らせ、秘裂に先端をこすりつける。 「んっ……」 「とりあえずできるだけ力を抜け、こっちもなるべくゆっくりするから」 「うん」 そう言って腰を落としてくる北上の中に先端がぬるりと挿入されていく。 「っく……っつう……!」 やはり結構きついようだ、一旦そこで止めさせる。 「はぁっ……はぁっ……」 目尻に涙を貯めながら荒い息を吐く北上 多少快感を与えて体をほぐそう、と思い北上の上着(改二衣装)をまくり上げる。 「わっ!?」 驚く北上をよそに僅かな膨らみを優しく揉みほぐしながら先端に舌を滑らせる。 腕に固く尖っている乳首を味わうように吸い、歯で軽く挟んで舌で刺激してやる。 不意の刺激にビクビクと反応する北上に対し、ダメ押しとばかりにクリトリスに向かって空いた手を伸ばす。 「ん……ぁっ……! はい…って……くるっ……!」 力の抜けた北上の体がズブズブと肉棒を受け入れてゆく。 体重を支えきれずにそれを迎え入れた膣内の処女膜による抵抗もあっさりと放棄され、結合部から血が流れ出る。 そして先端に当たるトンっという感触が北上の奥まで到達したことを告げた。 「最後まで入ったぞ……」 「う…ん……す…ごい熱い……」 こちらにもたれかかってきた北上を慌てて支えてやる。 「少し……楽になってきた」 「じゃあ、ゆっくり動かすぞ」 「うん」 腰を掴むとゆっくりと持ち上げる。 表情からしてまだ苦痛の色が強いようだ。 きつく締め上げる膣内の刺激に抗いながらまたゆっくりと腰を沈めていく。 それを何回も繰り返す。 「提……督……」 「……なんだ?」 「結構……良くなって……きたかも」 何度も繰り返した抽送でそれなりに中がほぐれてきたらしい。 多少強めに突き入れてやると 「くぅっ……!」 明らかに今までよりもヌルっとした感触が返ってくる。 「これなら……いけるかな」 北上の腰を持ち上げるのではなく、自分の腰を振り始める。 正直既に限界寸前だった。 何度か強めに突き上げてやると腰の上に跨っている北上がしがみついてくる。 全身で抱きしめてくるその体を抱きしめ返してさらに何度も突き上げ、鈴口を子宮に強くこすりつける。 「クッ! イクぞ北上!!」 「あ…たしも……も……無理っ!!」 ギュウウっと北上の中が肉棒を締め上げ、その刺激に反応した先端から吐き出された白濁液が北上の中を満たす。 ブルルっと快楽の余韻に浸りながら、二人は数分間繋がったまま動かなかった。 「はぁ……疲れた」 「大丈夫だったか?」 「ま、まぁ最後の方はだいぶ大丈夫だったよ」 「そうか……ところで……」 「……マジで?」 「スマン」 「はー……仕方ないなー」 中で再び大きくなる肉棒を感じた北上は盛大にため息をつくのだった。 ────翌朝 「あー提督おはよー」 「あぁ、おはよう」 「あのさー」 「だいたい言いたいことはわかってる」 「盛りすぎ」 「ごめん」 結局あのあと正常位で一回バックで一回、最後にさすがにきつそうだったので素股で一回。 「割とかなり腰がだるいんだけど」 「うん、悪かった」 「とりあえず汗流したいんだけど」 「……部屋に備え付けの浴槽があって良かった」 「提督ー」 「いや、ほんとごめん」 全然良くなくて朝から2回戦突入、結果北上の腰大破。 汗は流したものの既に朝食の時間だ。 「まー仕方ないか、んじゃ連れてってよ」 「……まぁそうなるよな」 今回は許してもらえた、まぁその今度があるかどうかがこれから決まるわけだが。 北上をお姫様だっこして食堂についた瞬間、無数の視線が突き刺さる。 視線にも種類があって一々列挙していくとキリがない上に精神衛生上良くないので無表情で北上を席まで運ぶ 真向かいの大井から凄まじい殺気が迸っている気がするが必死に勇気を振り絞り北上を席に付かせる。 「やー助かったよー」 「いやーどういたしまして」 うまく笑えてるんだろうか、すごい不安だ。 「ねぇ北上さん」 「んーどうしたの?」 「なんでまた朝からこんな派手な登場するハメになったのかしら?」 嫌な汗が背中をつたう、返答しだいによっては多分この場でミンチにされる。 「あー寝坊して慌てて走ってたら提督に激突して足捻っちゃってさー それでお詫び兼ねて運んでもらったんだよ」 「(笑)あら、でも私が北上さん迎えに行ったら部屋にいなかったんだけど」 「あーだって提督の部屋で寝ちゃったからさー」 ザワ…ザワ… あーなんか呼吸することすら困難なくらい空気が固まってるんですケド 「提督の部屋にあった『GUNこれ』って漫画が面白くてさー。 部屋で読んでたらそのまま寝ちった」 「起こすの悪いと思ってそのままにして悪かった」 ナイスフォロー! これで辻褄は合う……はずだ。 「まぁ……とりあえずそういうことにしておいてあげますね提督?(笑)」 「お、おう」 こうしてさしあたっての命の危険は回避した。 命があるって素晴らしい、しばらくは控えよう。 「提督ー『今度から』はちゃんと考えてねー」 「わかってる『今度から』はちゃんと考えてする」 朝飯食い終わったあと、またお姫様だっこで部屋に戻るコイツの顔を見られなくなったらたまらんからな。 おわり
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前回の話 ――提督―― 「提督、まだかかりそうですか?」 「執務は一旦やめた」 「……何見てるんですか」 「家具のカタログ」 「仕事してください」 「家具がなければ戦はできぬと言うだろう」 「言いませんよ」 「ところでこいつを見てくれ、これなんか寒い執務室にはよくないか」 「聞いてください」 大井は呆れた様子をそのままにこちらまで寄ってきて、自分の手にある冊子を覗き込んできた。 なんだかんだ言ってこっちの駄々にも大分付き合うようになったな。 「……『早く出しすぎた炬燵』?」 「ああ」 販売が始まった時期が時期なので商品名は分かるが、今やもう年末だ。 にも関わらず商品名が変わらないところは是非ともツッコミを入れたい。 大井はフローリング一面の執務室の中、 部屋の隅で四角く区切られている石の床、正確にはそこに鎮座する家具に目をやった。 「……あのダルマストーブは?」 「あれは置物だ」 見た目は風情があっていい。 亜炭や薪を使うストーブは空間を暖める性能としても抜群だが、炬燵に入って温もりを得るのもそれに劣らない。 しかし、コンセントにプラグを刺すだけの家電である炬燵と利便性で見比べてしまうと、言うまでもなく炬燵に軍配が上がるのだ。 大井としても暖を得られるのだから反対する理由はあるまい。 暇そうにカタログをぼんやりと眺める大井を尻目に、早速備え付けの電話機で炬燵と床の貼り替えを頼んだ。 …………………… ………… …… あれから数日が経ち、朝になって寄越してきた家具屋の連絡では、これから執務室を数時間占拠するという。 上も必ず遂行しなければならない任務はそんなに寄越してこないので……。 「本日、艦隊の出撃、演習、遠征は無しとする。繰り返す。……」 目の前のマイクに機械的に喋りかける。 「総員、休むなり自由にするといい。以上」 そう締め括り、内線を切断した。 アナウンスしている間も大井は秘書らしく自分より一歩下がったところでじっとしていた。 時刻はほぼマルキュウマルマル。 執務室が数時間使えなくなるのでは執務する気が起きないので、このような判断を取った。 ちなみに機密書類等は全て資料室に移して施錠してあるので問題ない。 しかし連絡は当日の朝ではなく前日に欲しかった。 普段通りに起床して軍服に着替えるなどの身支度が無駄になってしまったではないか。 事前に分かっていれば今日は昼前まで寝ていたというのに。 「ダメです。早起きは三文の得ですよ」 そして釘を刺すこの真面目系部下。 軽い気持ちで寝過ごしたかったとぼやいただけで少し目元をキツくさせている。 まあ心配するな。一度目が覚めた後ではもう寝る気は起きない。 今となっては、その諺にも賛同できる理由があるからだ。 「一緒に出かけないか」 予想だにしなかったというように二つほど瞬きをしてから口を開く。 「……私と、ですか?」 「そうだ」 せっかくの休日だし、起きたなら起きたで有意義に過ごさないとな。 どちらかといえば出不精の自分がこうして人を外出に誘うのは、自分で言うのもなんだが珍しいことだ。 「…………」 大井は黙りこくった。 何か迷っていることでもあるのだろうか。 それにしても、考えに耽って口許に手を小さく添える大井の姿からは 可愛らしさと淑やかさの二つを感じ、これを見ているだけでも大分頬が綻ぶ。 しかしこちらに目を合わせにっこり笑って踊るように出した答えは、弾みかけていた自分の心を絶望のどん底に叩き落としたのだ。 「嫌です」 「えっ……?」 漫画等ならばこれくらい明るい調子の台詞の語尾に音符の記号が添えられているのだろう。いや普段読まない漫画の話はどうでもいい。 何故拒絶する? 他に外せない用事があるなら仕方がない。 しかし嫌などと言われる理由が分からない。 私と出かけるのがそんなに嫌か? もう愛想を尽かされたのか? 何故。 頭で考えを巡らせても心当たりがない。疑問符が解消されずに残る。 心臓がきゅっと締め付けられるような感覚を覚えた。手が痺れるような感覚を覚えた。 開いた唇が塞がらない。返す言葉が浮かばない。 「……嘘ですよ」 「え」 先よりも力のない声が出た。 ……嘘? 「……あ、あぁ……、嘘ね……、洒落にならんなぁ……」 そもそも嫌いだと言われたわけでもないのに苦しくなった胸に手を当てて落ち着かせる。 はは、と軽く笑って誤魔化そうとしたが渇いた声にしかならなかった。 大井は後悔した念を少し顔に浮かべてから静かに抱きついてきた。 「……ごめんなさい。少しおいたが過ぎました」 「ああ、全くだよ……で、付き合ってくれるのかな」 「……はい」 抱きつくのをやめて一歩下がり、今一度顔を合わせて幾分か明るく答えてくれた。 短い返事だが、これを聞くだけでも気分は大分持ち直した。 「よし、じゃあ私服に着替えよう。お前も好きに着替えてくるといい」 「そうしますね」 へそが見える裾の短い普段の装甲は嫌だろう。まして今は冬の真っ只中だ。 無論あれは自分の趣味じゃない。感想としては悪くないが……ってそんなことはどうでもいいな。 こんな時まで軽く礼をしてから執務室扉を閉める大井を苦笑して見送った。 それから、いざという時のために職場に持ち込んだ幾つかの私服を選ぶために、寝室に戻ることにした。 …………………… ………… …… ――大井―― 絶対に音を立てないよう、閉めた扉に背を預けてしゃがみ込む。 やってしまった。 近頃よく素の表情を見せてくれる提督が面白く、たまにこうして意地悪をする。 提督も本気で嫌がっている様子を見せなかったのでさっきもやってみたが、実行したあとで後悔した。 提督の反応がいつもと明らかに違ったからだ。 嘘と言えども言っていいこととそうでないことがある。 軽巡の軽は軽率の軽ではない。まず今の私は軽巡ではないけれど、軽い気持ちで提督を悲しませてしまった。 提督のあの、全てを失ったような、生気を失ったような顔は見ている私まで苦しくなってくる。 しかしいつまでも後悔している場合ではない。 提督から誘ってくれたのだから、くよくよしてないで精一杯応えてあげないといけない。 何より私も楽しみたい。 そっと立ち上がって自分の部屋へ歩き始めたが、数歩で懸念事項に思い当たる。 「私服、あったかしら……?」 …………………… ………… …… 結論から言うとなかった。 自分の部屋を漁っても出てきたのは、軽巡だった頃に使っていた緑を基調とした服。 そして今使っているクリーム色と深緑の、何故か裾が短い服。 その二種類が三着ずつ出てきただけ。 いずれも支給品だ。私服なんてものはなかった。 思えば編成に入らない休みのときに北上さんと行動を共にするときも、特に着替えるようなことはしていなかった。 「どうしよう……」 急に私服と言われても出てこないので、この二種類から選ぶしかない。 へそ出しの比較的派手な方も嫌いではないが、へそを出して街を歩く一般人はまずいないだろう。 別にこのようなファッションを広めたいわけでもないのに流行の最先端に立ちたくはない。 何より、恐らく目立たなくするために提督は私服に着替えると言ったのだ。 艦娘もあまり目立っていいものではないだろう。 このような幾つもの理由を踏まえて、私は地味な方に再び袖を通した。スカートも黒と見間違える深緑の物に履き替える。 クリーム色の服と違い、裾は並にある代わりに袖が短い仕様のこれを着るのは何ヶ月ぶりだろう。 この部屋を使う私も北上さんもお洒落に気を遣うタイプではないので、姿見という贅沢なものはない。 でも今までそんなものなしでやってきて、提督からも身だしなみで指摘されるようなことはなかったからきっと大丈夫。 部屋の隅に置いてある艤装をちらと見やってから、処女航海の時と似たような緊張混じりの高揚感を胸に部屋を出た。 廊下を歩くと、何人か同僚とすれ違う。 あまり話をしない人は好奇の目を私に向けるだけだが、それなりに関わる機会が多い相手の場合その限りではない。 「……あら?」 私と同じく第一艦隊に所属する、空母赤城さんが足を止めた。 ついさっきのアナウンスが流れるまでに出撃準備を整えていたのか、弓など空母に必要な艤装を携えている。 「大井さん……よね? 前からいる……」 ……ああ、そうか。 一瞬何を言っているのか理解が及ばなかったが、建造等で被った別の私ではないかと迷ったのだろう。 私の格好が以前のものだし、容姿は別個体も一切の違いがないので見分けがつかなくても仕方がない。 「そうですよ」 この人はお喋りが好きというか好奇心が旺盛というか、お姉さんなのに子供のような人だ。 それが赤城さんという人の魅力であり個性だ。無論悪い意味ではない。 だから服装が変わっただけの私に声をかけてきたのだろう。 「今日は出撃ないのよね? 何かあったの?」 そういえばそれについての詳細までは、提督はアナウンスしていない。 しかし提督のやり方に異論はなかったから、あの時も後ろで見ているだけで何も言わなかった。 告知とは重要な情報だけを確実に伝えることが大切だからだ。 私は、さして重要ではない詳細の旨を赤城さんに伝えた。 最初少し真剣だった赤城さんの顔が苦笑に崩れた。 「執務室の改装……って、完全に私情ね」 「そうでしょう?」 「でも大井さんは良かったんじゃないの? 炬燵が使えて」 「執務室以外にも暖房はあるじゃないですか」 「まぁねぇ……。ところで、何故今になってその服を?」 あーやっぱりそれ聞かれちゃうんですか。 というか最初からそれを聞くつもりでいたのかも。 「……気分転換ですよ」 「ふーん……?」 気恥ずかしさを隠し、極めて冷静に返したが赤城さんは納得してはくれなかった。 少し背丈の低い私に合わせて屈み、じっと顔を見つめてくる。 こんなことが前にもあったような気がする。 その時の教訓を胸に、私は目を逸らさずに見つめ返した。 光らせるような真剣な目をする赤城さんは一体何を考えているんだろう。 「……デート」 「!?」 私は勘のいい占い師に秘密を当てられたような驚愕をした。 相方の加賀さんはイメージ通りの鋭い人だが、この人も大概だったらしい。 普段と違うところは服装だけのはずが、そうピシャリと当てられては……。 「……僅かだけど、いつもよりお化粧に気合が入ってるわね」 本格的に占いじみてきた。 銀座のママに倣って横須賀のママとでも名乗ってはどうだろう。 確かに今日の化粧にかけた時間はいつもより二割増しだ。 無意識に私の片足が後ずさった。 赤城さんはニヤッとした笑みを浮かべ、さながら核心を突き止めた探偵のように顎に手を添える。 「まず大井さんってもう提督と付き合――」 「失礼しましたっ!!」 勢いに任せて頭を下げ、赤城さんの横を通り過ぎる形でその場から逃走を図った。 別に追いかけてくるわけでもないのに私の足は小走りをやめようとしない。 心臓がバクバクする。 ああもう。 ただ外出するだけで、面倒臭い。 「……赤城さん? どうしたの、そんなところで」 「あ、加賀さん、あのね……」 …………………… ………… …… ――提督―― ノックされた扉に返事をやり、姿を現した大井の姿を見て驚愕した。 大井の格好は昔懐かしい軽巡の頃のそれではないか。 「……お前、私服持ってないのか?」 「必要だと思わなかったので」 なんということだ。 これくらいの年――実年齢は知らないが――の少女、見なりを気にするはずなのに、大井の姿からその様子は伺えない。 ひたすらに艦娘として練度を高めるため来る日も来る日も演習や出撃をさせていたが、愛の注ぎ方を自分は間違えていたのかもしれない。 洒落する暇を作ってやれなかったことを反省しよう。 任務を減らすのではない。自分が手伝ってやればいいのだ。 財布を取り出して中身を確認し、閉じる。 「……ようし。ならばまずお前の私服を買ってやろう」 「えっ」 「この辺は偶に出歩いているから私に任せろ!」 高揚してきた気分が自分に胸を張らせた。 今日は鎮守府の提督ではないから羽目を外しても何ら問題はない。 「ちょっ提督、私は要るとは」 「まあ一着くらい いいじゃないか。私の我が儘も偶には聞いてくれよ」 「要らないって言ってるんですが」 「金は私が持つし、選ぶのも私だ。大井は何も心配いらない」 「……提督が選ぶんですかあ? センスないもの選ばないで下さいね」 なんだかんだ言って買うなとは言ってこないんだな。 自分だって並みにセンスはあるのだ。ないとは言わせてやらない。 大井の不安がる様子を表した、冬の倉庫で無造作に積まれているボーキサイトのように冷ややかな眼差しも、 普段以上の調子の良さをもって凪いだ。 とにかく、顔も痛くなるほど冷たい風が吹く今の季節に半袖は頂けない。 いつも臍だしの服で出撃させているじゃないかというツッコミは控えてくれ。 あの格好は工廠がさせているのだ。 一言添えてから寝室に戻り、予備の上着を持ち出す。 上着は自分が着ているのと合わせて二着しかないが、黒にブラウンと、どちらも落ち着いた色なので問題はない。 「外は寒いからこれを着なさい」 「……提督の服は地味な物ばかりね」 地味と言うな。 四六時中真っ白な軍服を着ていると嫌でも明るい物を避けるようになるのだ。 背中から上着を羽織らせてやると、肩幅は自分のほうが広いのが改めて認識できる。 肩パッドでも入れたほうがよさげな程度には上着の大きさが合っていない。 手が半分ほどしか出ていない長い袖を見つめる大井にボタンを留めさせる。 サイズは合わなくても寒さは凌げるだろう。膝まで隠すほど長い裾は好都合だ。 自分よりも体温の低い大井の小さな手を引いて共に執務室を後にしていく。 「あっ……、もう……」 「何か言ったかー?」 「なんでもありませんっ」 …………………… ………… …… 艦娘一人だけを私服姿の提督が連れ出す光景はさぞ珍しかっただろう。 明らかに狼狽えていた門番に軽く渇を入れ、家具屋が来たら通すように伝えてから鎮守府を離れていく。 まあこんな形で出かけるのも初めてだから驚くのも無理はないかもしれない。 敷地内での他の艦娘からの視線さえも多かったからな。 歩幅の大きくない大井に合わせて歩きつつ、両手を擦り合わせる。 両手で皿を作り、歯は閉じたまま、しーと息を吸い、はーと皿に吐息を当てる。 それでも暖は得られない。防寒用の手袋は持っていなかったからついでに買っておこうか。 不意に皿の片手に白い手が重ねられた。きゅ、と握られ自分の手が下ろされる。 横を見てみると、前方を向いて目を合わせようとしない一見平然とした大井。 「…………」 だがな大井、私には分かるぞ。緊張を隠そうとしていることくらいな。 そんなにぱちぱち瞬きが必要なほど大気は乾燥していないだろ。 それから平静時よりも顔の血色が良くなっていないか。 しかし自分も何も言わず、歪みそうになる顔の筋肉を引き締め前方を向く。 繋いでいない方の手は上着のポケットに突っ込んだが、繋いでいる手は寒気に晒したまま。 それでも振り払って同じくポケットに突っ込むという考えは起きない。 そのまま足を進め、公道に合流した。 肌を刺すようなこの空気でも人は抗って街を行き交う。 昔から港町の一つとして発展してきた横須賀から人が消えることはなく、むしろ年末ということで普段よりも人通りが多い。 明らかに娯楽目的で出歩いていると見受けられる人達だっている。 特に分かりやすいのは、自分らと同じく手を繋いで楽しげに談笑する成人した男女や家族連れ等だ。 こちらは談笑はしていないが、ちょうど良いので話を振ってみる。 「私達も、夫婦に見えてんのかね」 「……何言ってるんですか。夫婦と見るには年が離れてますよ」 「なら兄妹か親子かな?」 「顔が似てないと思いますが」 「……まあ、恋仲だろうね」 「…………」 異論の消えた大井は何も言わない。 にぎ、と繋いでいる大井の手に力が幾分か送られたのが分かる。 人通りが激しくなってきた。 「……ぶつかるといけないから、もっと寄りなさい」 「変なことしたら帰ってから撃ちますよ」 「ほう? 変なこととは具体的に何なのかな?」 「今してるそれもセク質と言って立派な犯罪なんですよ」 「しょうがない。帰ってからにするよ」 「撃っていいですか?」 「駄目」 一寸劇終えたところで言う通り、肩が触れそうになるまでに寄ってきた。 再び静寂が自分らを包む。しかし街の喧騒が聞こえなくなる感覚が離れることはない。 大型複合店に入るまで繋いだ手を通じて人肌を感じ合った。 …………………… ………… …… 「おお……」 「うわぁ……、すごい……」 荷物を提げて帰投してまず執務室の扉を開けると、玄関のように靴を脱いで上がるつくりになっていた。 靴を脱いで上がるそこは注文通りの畳。やはり実際に目の当たりにすると感嘆の声が出る。 ダルマストーブは位置を変えずに靴脱ぎ場にちゃんと残っているし、そして炬燵も完備だ。 炬燵を退かせれば茶道もできてしまうだろう。和のかほりが強まったここでは時どころか執務も忘れそうだ。 「荷物置いてきたらおいで」 「でも私、北上さんと……」 なんということだ。断られてしまった。 でも今日は執務は休みだし、北上は親友だから仕方が無い。大井は自分だけのものではないから。 偶には一人寂しく本でも読んで、雑魚寝で夢の世界に身を投じるさ。 「そうか……」 「はい」 「…………」 「…………」 「…………」 「……ああもうっ」 不意に声を荒げられた。 素っ気ない顔から力が抜けたように見える。やれやれとでも言いたげか。 「北上さんも連れてきていいなら、来てあげます」 その言葉が聞きたかった。自分の気分は高騰し、顔が綻んだ。 ぐっと握り拳を作る。口調が逸る。 「いいよ! 全然構わないよ!」 「……子供ですか」 「私はいつでも子供だよ」 気分の折れ線グラフは垂直上がりだ。 疲れたような大井の反応にも、テレビでそこそこ前に聞いた自動車のコマーシャルのフレーズを改変して声を低く作り、ビシッと言ってやった。 ……決まった。 私のセンスの良さと共に、低燃費の良さも分からないとは言わせない。 いや、それが流れていた頃はまず艦娘なんてものはなかったか。 「…………」 「……失礼します」 軽く引いてないで何か言ってくれよ。 こんなギャグをかまされても軽く頭を下げてから出て行くところは感心するけど。 おい。 …………………… ………… …… 「提督ーお茶飲みたいよ」 「よし待ってな」 和室とまではいかないにしても畳部屋の素晴らしさに感化された自分は、久しぶりにダルマストーブを稼働させた。 おかげで炬燵の中だけでなく部屋全体が暖かい。 突然の北上の要求に応じてやろうと炬燵を抜けようとすると、大井に制止される。 「私が淹れるわ」 「お前はいつもやってるだろ」 それに偶にはこちらから振舞ってやりたいのもある。 まともな教育を受けている奴に、いい年して茶を淹れられない奴はいないから心配はない。 というか、できなかったら人に茶の淹れ方など教えることはできない。 「そうだよー、それに提督のお茶飲んでみたいじゃん」 「でも……」 「いいから。大井は座ってろ」 二人がかりで不満げな大井を座らせた。 秘書艦としての使命でもあるのか? しかし今日の自分は何一つ提督らしいことはしていない。提督でもなんでもないただの一人の男でしかない。 軍服を着ていない男が提督であるはずがない。 だから一日くらい気負いしなくてもいいのだ。 おっと、何の肩書きもない者が軍施設に出入りはできないというツッコミはなしだ。 大井が北上に茶を振舞いたかった可能性は、やかんを調達しに行こうと執務室の扉を閉めたところで思いついた。 もう遅い。 昼時を過ぎたので間宮は暇そうにがらがらの食堂を掃除していたが、彼女も今日くらい休むべきだ。 厨房から借りて水を張ったやかんを、焜炉を使わずに執務室に持ち出しあえてストーブに乗せて沸かす。 ついでに火室の中を覗き、脇に積んである亜炭をシャベルで放り込む。 二十一世紀になって本格的にこの光景が珍しくなってきたのかと哀愁を誘う。 湯ができるまでの間に、談笑に花を咲かせている二人に混ぜてもらおうと、 急須と湯呑みと茶葉の缶を乗せたお盆を畳に置いてから上がり込む。 ふうと一息ついて座椅子に胡坐で座り、上から炬燵の布団をかける。 すると談笑が中断された。 「提督~……」 北上は何故か苦笑した様子で、文句の一つでも出てきそうな声を投げ掛ける。 器用だなお前。 「お湯が沸くまではお茶は我慢してくれよ」 「いやそうじゃないよ」 北上はじとっとした攻めるような目を向けてくる。 「大井っちが惚気ばっかり聞かせてきてさあ」 「え?」 「北上さん!? 私が言ったのは愚痴で――」 何故そこで大井が慌てるのか。 惚気って。大井は一体何を言ったのか。 「えぇー? とりあえず提督が子供っぽいのは分かったからって感じ……。面白いんだけどさ」 本当に何を喋ったんだ大井よ……。 この鎮守府で築き上げてきた自分のキャラが崩れるようなことはあんまり言わないでくれるとありがたい。 多くの部下を束ねるような立場に就く以上、ある程度の威厳やら何やらを身に纏わなければならないわけで……。 それにしても最近は大井が北上に一杯食わせられる光景をよく見るものだな。 「ああ、うん。すまんな。子供っぽくて」 「そうじゃないってば。提督わざとやってない?」 「クク、わざとだよ」 このやり取りが面白くて、アクのある笑い声が混ざった。 やっぱり大井も北上も癖があって面白い奴だよ。 「……気持ち悪いですよ」 左から毒が飛んできた。眉の下がった大井の弾丸のような目が冷たく刺さる。 しかし、今朝の出来事のように拒絶反応をされるのには弱いが、 毒に関しては何度も叩かれた熱い鉄のように耐性がついているので怯まない。 むしろ柔軟な発想を要する作戦指揮官としては、それすらも逆手に取ってやるのだ。 「気持ち悪いだって……。北上慰めてくれえっ」 勿論このべそかきは演技である。 右の子に向かって両手を広げて抱擁を求めようとする。 あくまでも求めるだけでこちらからいきなり抱き着きに行くような真似はしない。 「しょうがないなーおいでー」 うむ。ノリのいい子は好きだぞ。 北上から許可をもらえば、大井に強気に出る隙を与えることなく北上に抱き着ける。 いや、これで合法的に北上に抱き着けるとかそういうことではなく、これも作戦の内なのだ。 本当だって。 「ううっ」 「おーよしよし」 北上はこちらの考えている内が読めているのか? こちらは抱擁に力や感情までは込めていないのだが、北上が頭まで撫でてくれるとは予想していなかったぞ。 とにかくこうして大井の出方を見る! ……北上の頭がすぐ横にあるので、この体勢では大井の様子は伺えなかった。 「提督、私を悪者にして楽しいですか」 ……大井は冷静だった。ゴルゴばりに冷静だった。 面白くないので次の作戦を即興で考えた。 北上から離れて立ち上がって大井の席へ歩いていく。 そして大井の背後を陣取ってしゃがみこむ。……これもデジャヴだな。 がばっと逃がさぬようそれなりの力で抱きしめた。 「ッ!」 「んー」 大井の体の温もりを感じて癒される。 鼻が後髪にくすぐられる。さらさらでいい匂いがするものだ。 しかし大井は、抵抗しようとしない。 「提督『も』、愛してます」 そこで、大井が普段言う台詞を意味を少し変えて使ってみる。 しかしやはりというか、抵抗する素振りさえ見せない。 それどころか腕に頭を預けてきた。 「提督なんか愛してません」 なんだそりゃ。 それが本心なら抵抗したらどうなんだ。 いや、本当は分かっている。言葉は本心だけを無造作に吐き出すだけのものではないからな。 ちらと北上に目をやるとムッとしたような表情をしていた。 北上のその顔は初めて見るな。 北上を弄ろうとしてこんなことをしたんじゃないんだがな。 まあ目の前で男女が仲睦まじくされたら誰だってこうなるか。 ピー!! ストーブに乗っかったやかんが、北上の心の内を代弁するように勢いよく湯気を吹いた。 やれやれ。時間が経つのは早いな。 北上もいることだし、また今度にしてやろう。 一つ溜息をついて立ち上がり、茶の準備をする。 まず急須と湯呑みに湯を注いでそれぞれ温めるところから始める。 短時間で建水という器に湯を捨てる。 急須に茶葉を入れ、湯を注いで短時間待つ。 三つの湯呑みに均等に茶を一滴残さず注ぎ切って、炬燵の上に置いていく。 「どうぞ」 最後に自分の湯呑みを持ち、息を吹きつつ恐る恐る口にする。 茶の適温は人間の口には熱いから注意が必要だ。 空気を一緒に吸い込みつつ澄んだ黄緑色の燃料を流し込み、ほうと一息。美味い。 「あー美味いねえ」 北上がこう言うとまるで酒を仰ぐオヤジのようだ。 大井は何も言わずにちびちび飲んでいるが、それもまたらしい。 「提督、こういうことは面倒がらないんだねえ」 そうなのだ。 自分としてはこだわりを持った淹れ方だと自負しているが、それでも本格的な茶道は流石に気が向いた時にしかやらない。 でも畳部屋ができたわけだし、偶には気が向くこともあるだろう。 ところで。 「それでは私がいつも面倒がってるみたいじゃないか」 「朝の放送とかすごくダルそうだったけど」 それは朝だからさ。 夜戦馬鹿ということではないが、寝起きに気分は上がらないもんだ。 四六時中だるいような態度は取ってないつもりだぞ。 戦果の獲得は兎も角、一定のラインより落とさずにするところからも自分の鎮守府の運営ぶりを分かってほしい。 また企業等と違って毎週土日を休みにしているわけでもない。 ここまで言うと鬱陶しい多忙主張になってしまうが、普段傍にいる大井なら鎮守府をおざなりにしていないことは分かるだろう? 「まあ……」 おい。 ここで歯切れを悪くするな。ここは即答すべきだろうが。 なにか不満でもあるのか。 「やる気がないとは言いませんが、それと実力とはまた別の話ですよね」 う……。 「執務の進め方とか」 うぐ……。 「あとは作戦の考え方とか?」 北上まで言うか。 「艤装の開発もダメですよね」 それは工廠の連中次第だろ。 こちらは完成しやすい必要資材の配分も資料に記録しているんだ。至って真剣に頑張ってるんです。 ……ここまで駄目出しされたのは久しぶりだ。 こいつ等以外の艦娘とは事務的な会話以外殆どしないのだが、他の艦娘も心の内では不満が眠っているのかもしれない。 湯呑みの底の茶渋くらい沈んだ気持ちで茶を口に運ぶ。 「……そんなに私は向いていないかな?」 「……大丈夫だよ」 北上? 「沈んだ子がいないってだけでも上出来だと思うよ。あたしは」 「……そうね」 大井? 「提督は、よく頑張っていますよ」 ……やられたな。 軍とは関係のない平和ぼけした世間話をする時に見る北上と大井の微笑み。 からかわれていたのか。 こいつ等は揃って思った事を口にするタイプだ。お世辞を言ったような事は記憶にない。 だから突然掌を返すような評価を、理屈でなく勘で信じることができた。 北上が言うように沈んだ艦がいないのは事実だし、大井のこの短い太鼓判の一言にも自分を自信付ける程度には価値がある。 指摘された点はとても改善が難しいが、良い評価もされていることが分かって口角が少し持ち上がった。 「……それならよかったよ」 …………………… ………… …… それからまた、軍と全く縁もゆかりも他愛さえもない談笑が始まり、続く。 だから茶は割とすぐに飲み切ってしまった。 まだ飲むには再度湯を作る必要があるが、もう面倒臭い。 「ねー、提督は付き合う時なんて言ったのか聞かせてよ」 流石にネタの引き出しも少なくなってきた頃に、北上は急にニヤけた顔を作ってそんな事を聞いてくる。 「……そういえばまだだったな」 「え?」 そうだった。まず交際の申し入れなどしていない。 そんな形式ばったやり方など正直要らないと思って念頭にも置いていなかったのだが、 話題に出されたので一応やってしまおう。 疑問符を浮かべる北上から大井に向き直る。 大井はきょとんとした表情で私を見つめていた。 「大井……。私と、付き合ってくれッ!」 そう言って畳に額が当たらんばかりの土下座の姿勢を取った。 しかし真に気になるのは確信している答えではなく大井の反応だ。 いつ顔を上げていいのか教えてくれる観測妖精は……いないか。 「……は」 『は』? これは一体どういう反応かと顔を上げて見ると、大井はちらと北上を気にしつつも端が僅かに上がった口を開いた。 「はい」 ……流石と言うか、やはり冷静なものだ。 こちらとしては面白く慌ててくれる反応を期待していたんだがな。 こうも普通に返されるとこちらが反応に困る。 土下座から上げた真顔のままさて何を言うべきか迷っていたが、顔の筋肉さえ動かす前に、右舷から非難するような声がかかった。 「いやー提督さあ……」 「ん?」 「付き合ってもいないのにそういうことしてたの?」 はて、自分は今日だけで何度このように細めた目を向けられただろう。 備蓄の弾丸を箸でつまんで数えるよりも下らない、そんなことを数えて報告してくれる観測妖精もやはりいないな。 まさかそんなことで北上から非難を食らうとは思わなんだ。 もしや結婚するまではそういうことはしてはいけませんとかそういう古風な貞操概念か。 意外だが侘・寂が感じられる、とても良い心掛けだと思うぞ。 「と言われても、始めに仕掛けたのは私じゃ――」 びしっ。 「い゙っ!」 非難から逃れようとした自分は、北上とは違う方向からかなり力の入った手刀で黙らせられた。 今度は前方の状況を確認する。 さも手刀をやりましたと手を立てたまま取り繕うこともしない大井の姿があった。 やはりというか目が細められているのだが、北上がやったような眉を寄せての分かりやすい表情ではない。 当鎮守府比三割増しと大々的に印刷したラベルでも額に貼ったらどうかと言わんばかりの目を細めた笑顔だ。 その掌に全ての力が入っていると思わせるくらいには、眉間に力が入っていない。 しかしよく見ると口の端がひくひく動いている。 そして瞼が細くなって光があまり差し込まなくなったその眼は笑っていない。 「……まあ、皆が皆北上と同じような考えではないということだよ」 一先ずはこれだけ北上に言っておくことにする。 大井の威圧するような顔の裏には言わないでほしいという意図があることくらい分かるし、 自分も少しふざけたというか魔が差したというか、うん、デリカシーに欠けたな。 図に乗るとすぐこうなってしまうが、反省する気はない。 自分の身を滅ぼすほどの過激なことはしないし大丈夫さ。 「大井っち……」 「な、なに?」 「……まあ あたしはやっぱ、基本そういうのきっちりしてからだから」 苦笑しつつも大井にも何か言おうとして、一旦は納得したのか引き下がってくれたようだ。 自分もいつまでも大井の前で正座していないで自分の座布団に戻ることにする。 「ほう。北上にもそういう予定はあるのか」 「当たり前でしょ。あたしだって一応は女の子なんだよ?」 自分で一応と言っていいのか。 でも北上は普段の調子から垣間見る女の子らしいところがとても印象に残るから、 少なくとも自分はちゃんと女の子だと思っている。 自信持っていいぞ。 「え、そ、そう?」 「大丈夫。北上さんは十分女の子らしいわ。悪い虫に取り憑かれたら追い払ってあげる」 「そうだな。下手すれば私も唾つけてたかもしれない。なんてな!」 冗談を一つかましてニッと笑ってみる。 このあと大井から撃ちますだの悪い虫だの突っ込まれる事を狙ってやったのだが、自分はどこかで計算を間違えていたらしい。 突然北上から照れた笑みが消える。 「……大井っち、いい?」 「大丈夫よ、北上さんなら」 何が? 「じゃあ……」 主語が欠けたわけの分からない質疑応答によって置いてけぼりにされた自分の気持ちなど構わず、 北上がこちらへ四つん這いで近寄ってくる。 そして自分のすぐ横に正座で居座ったかと思えば、あろうことかその頭を肩に寄りかからせてきたのだ。 自分からは北上の黒曜石のような黒髪しか見えなくなり、心の内を語る顔は伺えない。 何を考えている? 「……おい。この話の流れでそれは勘違いされるぞ」 念のため注意しておく。そしてこれは確認の意味も含めている。 それでも北上は離れようとしなかった。 「んー? 好きに取るといいよ」 その返事が一番困るんだが。 自分の察しが勘違いか正しいか、よく考えようとして疲れてくるこちらの事情をせめて重油の涙程度だけでも考えてほしいものだな。 そして更に悩ませることに、いつの間にか音を立てずに近寄っていた大井も北上のように左側でもたれかかってきたものだから敵わない。 ……大井も北上も自分を好いてくれる理由が分からん。 自分は平凡だ。そのうえで人を惹きつける魅力は特にないと思っている。 さっきも言ったが、こいつら以外とは私的な会話が少ないところもそれをよく表していると思う。 自分がどういった話を振ればいいのか分からないのも理由の一つと言えるが。 「んん……」 楽な体勢にしようと擦り付けるように動き呻く大井の声と、警戒心が全く感じられない穏やかな北上の息遣いに邪魔され、 改装されずに古ぼけたままでいる木の天井を仰いで自分に問いかけた疑問は答えが出ないままに脳の深海に沈んだ。 この状況はいつまで続くのか。座椅子の背もたれは、ぎし、としか答えない。 気がつけば西日もいよいよ薄れ、そろそろ明かりを灯したいと思えてきた頃にちょうど腹の虫が鳴る。 食堂に赴くまで自分の体は左右の人肌によって程よく保温された。 …………………… ………… …… 夕食時の食堂の喧騒は外からでも聞こえるほど大きい。 しかし中に入ってみると、入り口に近い席に座る艦娘はまるで学校の優等生が珍しく遅刻してきたかのようにこちらを見て黙った。 「……?」 一先ず気にしないことにしてカウンターの様子を見に行くと、間宮は落ち着きを手放さず慌しそうに動いていた。 厨房の奥を覗いてみると、戦力になる一部の者も割烹着を着用して手を貸しているらしい。 ご苦労なことで、と他人事のように思っていると、カウンター席で大きな存在感を放つ者を見つけた。 「むぐむぐ、……あら、提督?」 赤城だ。 とりあえず厨房係による回収の手が追いつく程度まで皿を積み上げる速度を落としなさい。皿を落とされると危ないから。 「善処します」 食べながら口を開きつつも口を手で隠すところは良しとしよう。 しかし善処するとしか返さない者は大体その気がない事を経験上知っている。せめてゆっくり噛め。 ……決めた。今回はここに座ろう。 「相席してもいいかな?」 「え? ……どうぞ」 なんだ。その間は。 「だって……いいんですか? 後ろのお二人は」 ううむ。やはりどこかのテーブル席を取ったほうがいいだろうか。 ついてきていた大井と北上に振り返り、答えを求める。 「……いいんじゃない?」 「私も、特には」 問題ないな。 ならばと赤城の隣の椅子を引いてどっかと座った。あとの二人も静かに席に着き、左から赤城、自分、大井、北上の順に並ぶ。 再び箸をそれなりの機敏さで動かし始めた赤城の食べっぷりを見て、間宮の手が空くのを待つ。 目の前に並ぶ調理済みの海幸山幸穀物の品々は逃げないというのに赤城のペースは落ちない。 しばらくして間宮が現れた。 「お待たせしました。何にしましょう」 慌しそうなのに間宮のおっとりした口調は健在だ。 そういえば赤城の様子をぼーっと見ていて何を頼むか考えていなかった。 厨房は忙しいというのにこれはいけない。えーと……。 「あ……お二人にはまたあのメニューでも出しましょうか?」 食堂全体を見渡すと忙しいはずなのに、息を切らすような様子をおくびも出さず、 にっこりとこんな戯言まで吐く間宮を見る限りでは全く忙しそうには見えないから不思議だ。 そういうことを全く考えていなかった自分はと言えばまんまと不意を突かれ、首に氷でも当てられたように体がびくついた。 「い、いや、いら――」 「いりませんっ!」 うわ。今度は右に驚いた。 砲撃音とも思わせた大声を張り上げた大井は顔を伏せているが、その横顔は赤いのが分かる。 この大声によって食堂の喧騒は静まり、赤城を含めた周りの艦娘の視線が自分らに集中砲火された。戦況は非常に不利だ。 指揮官である自分さえも、前方と右舷からの先制攻撃によってしばらく動きを拘束されてしまう。 「……あ、とりあえず適当に……じゃない。えー、鉄火丼と味噌汁を頼む」 兎に角間宮を追い払う、もとい作業に戻らせるべく、適当に見繕ってもらおうとして、やめた。 美味ければなんでもいいのだが、それを伝えたら結局あのメニューを出されるかもしれないからだ。 露骨というより隠す気が全くないあれを人前で頂くのには抵抗がある。 「あら、残念ですね。北上さん」 「残念だねー」 おい。お前らいつの間にか妙な同盟でも締結していたのか。 そういえばあのメニューを思いついたのは北上だったか。二人揃ってその生暖かい笑みをやめろ。 この二人が手を結んでいるようじゃ、北上に真冬のアイスクリン過剰供給の脅しも暖簾に腕押しと言ったところか。 「あたしは……、い号定食でいいや」 「かしこまりました」 あとは頼んでいないのは大井だけだが、大井はエンストでも起こしたように動かない。 大井の肩を叩いて問いかける。 「……おい。お前はどうするんだ」 「えっ!? あっ、提督と同じ物で!!」 「…………」 その時歴史が止まった。 「……あっ」 ……というのは流石に過言というもので、 実際のところ自分はせっかく散りかけていたのに再び集まった注目の視線が、どのようにすればまた散ってくれるのか、 脳の燃料とも言えるブドウ糖を惜しげもなく浪費していただけだ。 仕舞いには耳に蜘蛛でも侵入してくるかのような、ひそひそとした内緒話まで聞こえてくるものだからもうやってられない。 顔を伏せたり上げたり大井も忙しい奴だな。膝の上に作った握り拳と肩から力を抜け。 自分で言ってから小さく、あっ、というのは何なんだ。 「あらあら」 間宮よ。戦艦の口癖でも移ったか。 元の雰囲気から似ているとは思うがそこまで似せなくてもいいんじゃないか。 赤城も食べていた物のおかわりを頼み、間宮は赤城が積み上げた皿をいくつか回収して厨房に引っ込んだ。 あんな成りでも意外としっかりしているものだ。 そろそろ部屋中の艦娘の視線は外れてきたが、最初の喧騒は戻ってこなかった。 聞き取り辛い小さな話し声が後ろでいくつも飛び交い、少し居心地が悪い。 天井を仰いでも喧騒は戻らないし、居心地も良くならない。 こんなつもりで食堂に来たんじゃないんだがなあ。 「……あのメニューってなんですか? お勧めなんですか?」 赤城は知らんでいい。お勧めでもない。そんな子供みたいな純粋な瞳を向けても教えてやらんぞ。 恐らく盛り付けるだけだろう鉄火丼と味噌汁はすぐに届いた。 味噌汁は味噌汁で多くの者が嗜むはずだから、きっと作り置きしてあるのだろう。 落ち着きを取り戻した大井の図らいにより、北上の御膳が届いてから三人で召し上がる挨拶をした。 好意で付けてくれたお新香を摘み、早速丼の鮪をタレの通った米飯と共に口に運ぶ。 美味い。甘辛いタレがいい刺激になる。 鮪の赤身からは筋が取り除かれているところが特に素晴らしい。 やはり間宮の作る飯は美味い。これだから自宅に帰る気がなくなる。 丼を持って赤城にも劣らない速度で目の前のご馳走を減らしていると、赤城が飲み込んでから声をかけてきた。 「んぐ。そういえば提督に聞きたいことがあったんです」 「むぐむぐ、なんだ」 一方こちらは腹が減っていたこともあり、口と箸を止めずに先を促す。 「今日は大井さんとデートに行ってらしたんですか」 「んぐッ!」 近くの艦娘からであろう視線が背中にビシバシ当たったり、大井がむせ始めたり、なんとも影響力のある奴だな。赤城は。 その力は戦場で彩雲や先制航空部隊を飛ばしたりする時は遺憾無く発揮してほしいが、ここは戦場じゃないんだぞ。 しかもその後で先制魚雷を放つ重雷装艦に悪影響を与えるのはやめてくれ。 丼と箸を置いて咀嚼したまま、むせてしまった大井の背中を擦ってやる。 ……こちらに顔を伏せて私の袖を摘まんでくるのは無意識か? 「大井さん大丈夫?」 「……ほら味噌汁飲みなさい」 口の中身を飲み込んでから指摘してやると、言われてやっと気づいたように慌ててお椀に口つけた。 「はーっ……」 喉の引っかかりは無事解消されたようだ。大井もやはり不意打ちには弱いものだな。 不意打ちされても動じないようにするにはきっと相当な精神の訓練が必要だろう。自分はやりたくない。 「……で、なんだったか。デート?」 「ええ。提督、今日は出かけていましたよね? それにお二人の服……」 自分は私服のままだし、大井も軽巡時代の装甲だ。この状態で何もない方がおかしいかもしれない。 さて、言ってしまっていいのだろうか。自分は抵抗ないのだが。 大井を見やって答えを求める。 「……いいですよ」 夜伽については言うなという反応を見たが、これくらいなら構わないようだな。 「……行ったよ。デート」 「……へぇ……」 自分で聞いておいてそれしか言うことはないのか。 しかも不審なことに、変な虫でも止まっているのか、目の前に並ぶ多くの料理を見つめたまま食べようともしない。 少し不気味だ。料理にとっては蛇に睨まれた蛙のように、不気味どころでは済まないだろうが。 兎に角は目の前の鮪などを腹に収めることに専念する。 背中に視線がまだまばらに当たる気配を精一杯無視し、食べる速度が落ちた赤城を尻目に自分は最後の米粒を摘まんだ。 大井と北上が完食するまで待ち、まだ終わりそうにない赤城には別れを告げて食堂を出た。 窓に目をやるともうすっかり日は見えなくなっていた。いざこうなると暇だ。 北上は姉妹艦のところへ行くと言うが、大井は着いてきては駄目、と言う。 気でも遣ったのか? 最初大井は着いて行きたがったが、結局すぐに大井が折れた。満更でもなさげな様子が分かった。 …………………… ………… …… 執務室に戻って再びストーブに火を起こし、炬燵の電源を入れ、部屋を充分に暖める。 先に炬燵に入り温もりを得ようとする大井の後ろに自分は腰を下ろし、抱きすくめ、大井から温もりを得ようとする。 北上が見ている時でも往生際が良かったように、北上さえもいないこの場で大井が抵抗することはなかった。 「提督、この手はなんですか? 何かの演習ですか? 撃ってもいいですか?」 しかし、大井は受け入れる態度とは真逆の言葉を放った。 そのギャップが可笑しくて、くす、と笑いが漏れる。 艤装をつけているのならばまずこうして後ろから抱きしめることすら不可能なんだがな。 「提督は最近子供染みた振る舞いばかりで困ります。仮にもこの鎮守府の提督でしょう?」 あのな。私以上に威厳ある役職に就いている人間だって誰しもこういう面はあるんだよ。 そしてそういう面は決まって特定の人物にしか見せないという共通点がある。 こんな提督が嫌だって言うのなら、それまでの信頼を築いた自分を恨むんだな。 「嫌です」 突つき合うような科白を繰り広げながらも、 自分は笑いながらやっているし、大井の声色もまた全く棘のないものだった。 「あっ」 大井は何か思いついたような声を上げたかと思えば腕を振りほどいて立ち上がり、執務室の鍵をかけた。 突然腕の中から消えたその熱源が振り返って戻ってくるその顔は、とても愉快そうだ。 指定席と化したらしい座布団に正座し、何故か炬燵に足を入れようとせずこちらを向く。 「子供の提督には膝枕をしてあげます」 おお。率先してそのようなことをしてくれるとは。 ならば早速と横になって、渋い深緑の枕カバーから伸びる綺麗な膝に頭を乗せる。大井の体はどこの部分も柔らかいな。 ただ、これだけでは部屋の鍵をかける理由が分からない。 しかし大井が突然上半身の装甲のボタンを解き始めた事で、それは明確になる。 やがて装甲の前部が開かれ、中々に重みのありそうなタンクが苦しさから開放されたように姿を現した。 たぷんと揺れるそれに目が釘付けになるのは男としての性であり、こんなものを見せられた暁には子供のままではいられない。 ぐぐぐ、と自分のズボンの中の魚雷が反応を見せる。 「……ぁ」 最初からその気だったのだろう大井は、それに気づいたというよりも気づく前から目をつけていたと思う。 男のモノの変化の過程を異性に見られるというのは、まだ理性が抜けきらない事により恥ずかしいものもある。 だから嬉しそうな反応をするのもいいが、さっさとそいつをどうにかして中途半端な理性を消して欲しかった。 それを行動で示そうとして、自分はタンクに手を伸ばした。 「ッ」 向こうの質素な寝室と違ってこの部屋には暖房器具があるから、この手は冷たくはないだろう。 遠慮なく手を動かす。ただ柔らかいだけでなく張りがあるから飽きない。 飽きるどころかそれだけで満足はせず、更なる一つの欲求が浮かび上がってくる。 揉みしだくのを一旦止め、ぐっと上体を持ち上げて赤子のように吸い付く。 ちゅ。 「んっ!」 やっていることは子供だが、はたして子供が股間をおっ立てたりはするものかな。 そして授乳する母親が、はたして子供の股間を摩ったりなどするものかな。 勿論そんなことはあり得ないよな? 「ん、ふふ……」 背中に手をやって支えてくれるのはいいが、ズボンの上から擦っていじめるのはやめてくれ。直接触ってほしいんだよ。 しかしそれを伝えようにも口はタンクによって塞がれているので、言葉で伝える事は不可能だ。 タンクから口を離すだなんて考えは南西諸島の渦潮にでも捨てている。 一瞬で結論が出た脳内の軍法会議の末、口に含んだこいつを舌で転がしたり突いたりしてやることにした。 「ん、んん……!」 攻めようとする考えで行ったのに、自分の魚雷が愚直にも硬度を増した。 しかし攻めが通じたのか苦しげな魚雷を哀れに思ったか、じー、と独特な宣戦布告の音が耳に入った。 優しくまさぐられ、やっと魚雷が格納庫から取り出された。望み通り、きゅ、と握ってくれる。 最初は所々を指圧マッサージのように指で押されるだけなのだが、魚雷のどこを押されても一定の快感が伝わる。 その刺激によって順調に魚雷は限界まで固く膨らんだ。しかし大井はまだそこまでしかしてくれないようだった。 膨らみきっても指圧マッサージは何の変化もつけられないまま続行される。 仕方がないので口の中のこいつに不満をぶつけることにしよう。 つん、つん。 「ッ……」 ぺろぺろ。ちゅー。 「んん! っく」 やられっぱなしではなく、立派に抗う大井も馬鹿にはできない。 そうして魚雷の硬度を保ちつつ暴発しない程度に巧みに弄られては、潤滑油が漏れてしまうではないか。 だが大井はそれを狙っていたようで、掌を魚雷の先端にぐりぐりと押し付ける。 少量の潤滑油を塗り広げた大井はやっとそいつを扱き始めた。 潤滑油が出てくるのを待つという体で焦らしたんじゃないだろうな。 完全に大井の思うがままにされているだろう自分のそれは、感度を良好な状態まで上げてから急に上下運動をされるものだから、 突然跳ね上がった快感の規模にうまく抵抗できずに口を離してしまう。 「くあっ!」 「うふふっ」 大井はとても愉快そうに笑みを零した。 目の前のタンクに吸い付きたい欲求に少しの反発心を加えて今一度攻撃を開始する。 それからの自分らは、互いに攻撃して攻撃されるという守りなしの一騎打ちが続いた。 大井のタンクの先端も、こちらの魚雷も、物は違うが透明の液体でひどく濡れそぼっていった。 おいしい。気持ちいい。 ちろちろ。ちゅうちゅう。 「ん、っく!」 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ! 「……ッ! ッ!!」 扱く速度は速い。最早焦らすなどは考えられておらず、ただ魚雷を暴発させようと追い詰めるだけだ。 こちらは誤って口のこれを噛んでしまわぬよう繊細に気を配りつつ愛撫するので精一杯で、正直我慢している力は残っていない。 こちらが我慢できないなら大井も道連れにしてしまう気持ちで乱暴にタンクを吸い上げにかかる。 ちゅうううう! 「んっ! んんんん!!」 ほら、声が高く上がって行っている。 しかしもうこちらは充分健闘した。限界だ。 口をほんの一瞬離して息を吐き出してから咥え、中身が漏れ出るくらいの気持ちで吸い上げる。 ちゅううううううっ! 「んああああっ!!」 びゅっ! びゅるっ! 魚雷は暴発し、視界は一瞬ちかちかして、自分は糸が切れた人形のように口を離して体から力を抜いた。否、抜けた。 大井は最後のところだけ口を開けて啼いたくせに、魚雷が噴出した白い油は飛び散らないようしっかりと手で受け止めていた。 「はあっ、はあっ……」 今はただ息を整えることだけしか頭にない。今日は油がどれくらい出たとかはどうでもいい。 「はー……。いっぱい出ましたね、提督?」 そうか。 「まだできますよね?」 「……ああ」 ついでに言い忘れていたが、この執務室は施錠に加えて部屋全体が防音処理もされていて、とても密談に向いている。 わざわざ寒い向こうの寝室へ行ってからなんて煩わしい。嗚呼、今日布団をもう一枚買っておくんだったな。 現時点でまだ深くない今夜は、このようにしてのめりこんでいく。
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アイコンと書かれている部分を image(画像URL,title=画像名,linkpage=図鑑/カード名)とすると 画像リンクを張ることができます。 image()の詳しい使い方はこちらのガイドを参考にしてください。 名称:テンプレート1 レアリティ:☆1 アイコン編集 タイプ・属性 火 レベル 1(10) 入手先 入手先1入手先2入手先3 成長タイプ 普通 攻撃 100(1000) コスト 1 防御 100(1000) 売却価格 100 スキル スキル1
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「提督にお手紙があるみたい・・・」 「お?そうか、ありがとう」 扶桑から手紙を受け取る いつもの戦績報告書だろうとおもったら・・・母さんからか [元気にしてるか] あぁ、してるよ [飯は食ってるか] 間宮さんの飯はうめえさ、心配いらねぇよ [早く嫁さん見つけてきな、孫が見たい] そう、か・・・いや、心に決めたやつはいるんだけどな・・・ [うだうだ考えてないでぶつかってきな。どうせフラれやしないかとビクビクしてるんだろう?] なぜお見通しェ・・・ まぁ、そうだな・・・踏み出さないと掴めないもんもあるってもんだよなぁ 「提督・・・?あの、どうかしました?」 心配そうに覗き込んでくる扶桑 「なぁ、扶桑」 「・・・?」 きょとんと首をかしげる彼女に 「好きだ、結婚を前提に付き合ってほしい」 「へ・・・?け、結婚・・・?えっと・・・えぇーーーー!?」 思わず驚嘆の声を上げさせるほどの爆弾発言を行った 「え、あの?提督?結婚?結婚ってその、男女が夫婦になって、あの、その、え?え?」 いつものおっとりした彼女が一転してあたふたしている。これはこれで非常にかわいいと思うのだが、少しかわいそうかな 「扶桑、落ち着いてくれ、深呼吸だ」 「あ、はい・・・。すー、はー、すー、はぁ~」 落ち着いたようだ 大げさに深呼吸したようでおっぱいが強調されて実にスバラシイ! ・・・失礼 「あの・・・提督、ほんとうに・・・?本当に私でいいの・・・?」 「あぁ、一目見たときからずっと思っていたんだ。一目ぼれってやつだな・・・」 「でも・・・きれいな子やかわいい子は他にいっぱいいるわ・・・私なんて・・・」 「それに、私たち姉妹がなんて言われているか知っているわよね?あなたまで不幸だなんて呼ばれたら、私は・・・っ!?」 信じられない、そんな風にネガティブな発言をする彼女を抱きしめて黙らせた 「実力行使にでるが・・・俺がこんなことをしたい、と思うやつはお前しかいない」 言いながらぎゅっと抱きしめる 俺よりも背の低い彼女は胸板に顔を付けるようにすっぽりと埋まっている ふわり、と長い髪からいい匂いが流れてくる 背中に背負った砲塔が頭にぶつかってすごい音がしたがまぁ問題ない。鉄板に顔の熱を奪われて意識がぶっ飛ばないで済む 「ぁ・・・、すごい、ドキドキしてる・・・」 「わかるか?これ結構勇気だしてやってるからな?」 「わかるわ・・・顔が真っ赤だもの・・・」 そういってひんやりとした手をこちらの頬に添えて見つめてくる扶桑 その少しうるんだ瞳に吸い込まれそうになる 「ほかの奴?確かにいろいろいるだろう」 「だが、それがどうした?俺はお前に一番心を惹かれてる」 「あだ名は知ってる、不幸姉妹・・・だろう?ふざけるな」 「俺が提督である以上お前らを絶対不幸になんてしてやるものか。過去がなんだっつーのそんなもん鼻で笑って俺の鉄拳という名の主砲でぶっとばしてやる」 普段から思っていたことを一気にまくし立てる そして目をぱちくりさせている彼女にしっかりと目を合わせてもう一度 「俺はお前が好きだ、お前の素直な気持ちを教えてほしい」 馬鹿正直に告白してやった。これでフラれたら俺は回天にでも乗って敵本拠地に突撃してこようと思う 「・・・はい、私でいいなら喜んで」 彼女は涙をたたえながら微笑み、答えてくれた──そして 「私もずっとずっと好きでした・・・もう、離れません」 嬉しさ爆発と言わんばかりに抱きつき返してきた 「~~♪」 ご機嫌な様子でほおずりしてくる扶桑 こんな一面もあるらしい。すごいふにゃふにゃしてる、かわいい、なんだこの生き物 「・・・」 頭に手を置き、髪を梳くように通しながら撫でてやると 「はぁ・・・♪」 恍惚の表情を浮かべてしなだれかかってきた お、おう、その、なんだ、やべぇこっちもドキドキしすぎていろいろと我慢がきかんっ 「扶桑」 「はい?」 「キスしたい」 節操ないな、俺。畜生悪いか初彼女で童貞だったら暴走するしか道はないだろう! 「───」 固まった。まずい、がっつきすぎたか── 「はい♪」 幸せそうにはにかんで答えると 「──どうぞ」 目を閉じて迎えてくれた 一見落ち着いているように見えるが耳まで真っ赤になっているし、肩もふるふると震えている ここで応えなきゃ漢じゃねぇっ! 「──んっ」 「ん、んむ、ちゅっ」 腰と頭に手を回し、抱き寄せてキスをすると彼女から積極的に吸い付いてきた 「ちゅっちゅ、ぁむ、む、ちゅ、ちゅっちゅ──んぅ!?」 「ん、んむむ、ん、ちゅるっ」 負けじと舌をねじ込む。最初は驚いた彼女もすぐに順応してお互いの口内を蹂躙する 「ぷぁ、は・・・っ」 「はっ、ふぅ・・・」 息が続かなくなり離れると、二人の間に唾液で橋ができ、月明かりを受けてきらり、と光る 「いきなり激しかったな」 「だって・・・ほしかったんだもの」 指を合わせてもじもじする扶桑。本当にどこまで俺を萌えさせれば気が済むのだろうこの子は もうあれだ、我慢できん。最後まで行ってもいいよな? みなさんお分かりのことだとは思うが、童貞ボーヤ(愛宕にとてもいい笑顔で言われた)がこんなことをしたら下半身は見事に反応するわけで 扶桑も顔を真っ赤にして所在なさげにしている 「提督・・・あの・・・何か、あたって」 うん、だよね・・・というわけで 「すまん扶桑、抱きたい・・・というか抱く」 「・・・はい///」 ぱんぱかぱーん!すごい、こんな気持ち初めて!もう何も怖くない! 我、夜戦ニ突入ス! いたすにはちょっと邪魔な装備を一旦はずし、お姫様抱っこで布団まで運ぶ。 「あ・・・」 寝かせてやると、恥ずかしさと嬉しさと期待を込めたまなざしで見つめてくる 「その、ゆっくりできないと思うから先に謝っとくな、ごめん」 「・・・ふふっ、大丈夫よ。それだけあなたが想ってくれているってわかっているもの」 やさしく応えられてしまった。さすがはお姉さんか 「じゃあその・・・脱がすよ」 言って彼女の服に手をかける 彼女の手伝いもあり、するりと簡単に脱げ、一糸まとわぬ彼女の身体は 「きれいだ・・・」 「~~~~~っ///」 飾った言葉なんて考えられないほど美しかった 胸や秘所を隠そうとする手を上にのけて、その姿を目に焼き付けながら おもむろに胸に手を伸ばした 「───んっ」 ふにゅっと手でつかんだ分形を変える胸──あたたかくて、柔らかい。 そのままこねるように、また、ふにふにと感触を楽しむように揉んでいく 「ん、ぁ、ひゃ、やん、あ、あ・・・っ」 切なげに声を漏らす扶桑、どうやら痛くはないようだ そのまま触り続けていると、先端部分が固くなってきた。どうやらちゃんと感じてくれているらしい ので、こりっとつまんでみた 「ふああっ!?あ、やっ・・・!?」 ビクン、と大きく跳ねたちょっと刺激が強かったか・・・? 「あぁ・・・ん、ぁ・・・」 少し弱めながらくりくりすると甘い声を上げながらもだえる彼女、どうやらこれくらいがいいらしい おっぱいを刺激すること約10分ほど さっきからもじもじと太ももをすり合わせていることには気づいていたのでそちらも触ることにした 「ぁ・・・ひゃ!?」 胸は一度解放し、両手で閉じた脚を開かせると彼女の秘部からあふれたもので敷布団のカバーにシミができていた 「やぁ・・・みないで・・・」 恥ずかしいとばかりに顔を覆ってしまった扶桑、そのいじらしさに感動を覚えつつ くちゅ・・・ 「ひあぁっ!」 「濡れてるな、ここ・・・」 水源を指でなぞっていった 「あ、あ、だめ・・・そんな・・・はあぁ・・・」 「気持ち良くなってる証拠だよ、俺としては嬉しいな・・・」 「そう、なの・・・?」 「あぁ、だからもっと力を抜いて・・・」 少しいやいやと首をふる彼女をなだめ、本番のための準備を開始するべく指を侵入させる 「あ、あぁ、あ・・・ひゃぁ、あ・・・っ!」 くちゅくちゅと中を刺激してみる奥からとろり、とろりと愛液があふれてくる 「あ、あぁ、ふあ、あああ・・・っ」 「よく濡らさないと痛いらしいからな・・・」 言い訳しながら彼女を攻めたてる 部屋には水音と彼女の喘ぎ声だけが静かに響く 「あ、ぁ・・・提督、なにか、なにか・・・くるの・・・」 「いいよ、そのまま身を任せて・・・」 限界が近いらしい彼女をイかせるために少しスパートをかける 「あ、あ、あ、あああ、あああああああぁ~~~っ!!!」 布団をぎゅっとつかみながらピンとのけぞり硬直する扶桑 どうやら無事イったらしい 「はぁ、はぁ、あ・・・」 脱力し、ぼんやりと中空を見つめる扶桑を前に自らも裸になり覆いかぶさる 「あ・・・」 「本番、するからな」 「はい・・・あなたを、ください・・・」 ギンギンに屹立したモノをあてがい ずぷり 「~~~~っ!!」 彼女の中に侵入した 「くぁ、きっつ・・・」 「う、くぅ・・・っ」 十分準備したつもりだが初めてってのはこんなにきっついもんなのか・・・ 「大丈夫・・・じゃないよな、すまん・・・」 「いいえ、だいじょう、ぶ、です・・・だから、さいごまで・・・っぅ」 痛みに耐え、涙を浮かべながらも受け入れようとしてくれる彼女 「わかった、一気にいくから少し我慢な・・・!」 感謝をしながら、せめて痛みは一瞬に、と腰を突出し一気に突き進む 「くぅあ、あっ・・・!」 みち、ぶち、と肉を引き裂いて行き止まりまで押し込んだ 「はいった・・・!」 「は・・・い・・・」 ふるふると震えながらも笑顔をうかべてくれる彼女 そして、それとは別にぎちぎちと締め付けてくる内部に我慢をできずに 「動くな・・・」 「はい・・・!」 彼女を貪る 「うくっ、あ、あぁ・・・!」 苦悶の表情を浮かべる彼女だったが、こちらが心配して腰を止めると 「大丈夫ですよ・・・?この痛みも、あなたとつながっていることを教えてくれて、うれしいのです・・・」 嬉しいのだと、大丈夫なのだと受け入れられてしまった こうなったら男としてはもう甘える他無く 「んく、あ、うぁっ、あぁぁ・・・っ!」 彼女の身体におぼれていった 彼女と交わり始めてどれくらい経っただろうか 「ん、あ、あぁ、あんっ、ぁ・・・っ」 痛みは薄れてきたようで、甘い喘ぎ声を上げてくるようになった 中の反応も、押し出すような締め付けではなく、もっと奥へ、奥へと引き込むように変化していた こちらの限界は近い。おそらくこれ以上我慢は効かないだろう 「すまない、先に・・・」 「はい、あなたのお好きなように・・・」 情けない話だがその言葉を受け取って 少し乱暴に腰の動きを速めて、俺は限界に達した どぷっ、どくっ、どくんびゅるっ! 「あああっ、あ、ひゃああっ!」 最奥部に押し付け、全部中に放つ 彼女も逃がすまいというように背中に腕を回し、脚で身体を挟みこんで受け止めてきた いわゆるだいしゅきホールドとかいうやつだ 「あぁ、あ・・・あついのが、なかに・・・」 「う、うぅ、くっ」 全部出し切ると彼女の上に突っ伏し 「ありがとうございます・・・」 「それはこっちのセリフだよ・・・」 嬉しそうに抱きとめて頭を撫でてくる彼女に身を任せ、二人一緒に軽い眠りについた 「しちゃい・・ましたね」 「あぁ、そうだなぁ・・・」 「みなさんにご報告はどうしましょう」 「遠征組が帰ってきたらまとめて全員にしよう・・・ただ、山城には先にな」 「えぇ、あの子には祝福してほしいのたけれど・・・」 「難しいかもな・・・でも、認めてもらうさ。俺は二人の仲を引き裂くつもりはまったくないしな」 「わかりました、お任せします」 少しして目を覚まし、抱き合ったままの姿でそんなことを話し今後の騒動をどう収めようか考えたあと せめて今だけはと事後の余韻にひたりいちゃつくのであった
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322 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11 35 45 ID hx4Xp/wM 私は知らなかった 大人になれば、自然とレディになれるのだと思っていた もちろん、レディになるための努力は欠かさなかったし、だからこそあの時、夜警も引き受けたのだ 私は知らなかった大人というものを でも、あの時ついうっかり寝入ってしまったのは私が紛れもない子どもであったことの証明だと思う 「やっ…!やめっくひぃっ!暁…っちゃんが!あ!こんな…こんなぁ…」 「ふふ…そんなに騒いで起きちゃったらどうします? お か あ さ ん ?」 「あぁ…っそんなそんな言い方!堪忍…堪忍してくだっんひぃ!あ!あ!あ!あぁっ!!」 何か水っぽい音と、妙に鼻にかかったような声に意識をくすぐられ、薄目を開けた私の見たものは… 「??、へ?え…?」 そこにいたのは楚々とした仕草の美しい軽空母でも、少し意地悪だけど大好きな司令官でもなく ただ、獣たちが、そこにいた 323 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11 42 03 ID hx4Xp/wM 「あぁ、暁起きたんですね…いや遂に観念したのかな?っと!」 「んひィっ」 私が憧れて"いた"2人…獣、いやケモノはそんな声を上げると組み敷いていたケモノの顔をぐいとこちらに見せてきた 「ぁ…あぁ…」 綺麗にまとめていた髪はほつれ、優しい表情を浮かべていた顔はよだれまみれでひきつり、目はうつろで…! 咄嗟にかけられていた毛布にくるまり、目を閉じ、耳を塞ぐ アレはダメだ、見てはいけないものだ、だって私の理想の中にあるものは… あんなに、きたなく、ない その後のことはよく覚えていない 何か顔にかけられた気もするけれど、本当に覚えていない ただ、思い出そうとするだけで切なくなるのがもどかしくて、ついに私は姉妹に相談することにした でも、自分でも要領を得ないと思う私の話を根気よく聞いてくれた妹は、響は私に顔を近づけてきて… 「それは…もしかしてこんな感じだったかい…?」 そう、ささやいたのだった 324 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11 48 58 ID hx4Xp/wM 憧れは人を盲目にする きたないケモノと同じモノになってしまった暁 暁はきたなくなんかない 全てをさらけ出しているからこそ 暁は綺麗なんだよと耳元で囁き続ける響 自己卑下と響の囁く甘言の板挟みになった幼い精神が悲鳴を上げる 次回、暁に響き亘る やはり赤ずきんは狼に喰われるが宿命か これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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930 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 00 48 38 ID 921OSk/2 渋やらニコ静やらでときどき見かける村について思いついたので投下します 若干ヤンデレ? 931 :930:2016/06/06(月) 00 52 19 ID 921OSk/2 「よう、久しぶりだな」 山奥の無人駅に迎えに来てくれた友人は、乗ってきた軽自動車のライトに照らされながら手を上げてそう言った。 訳あってこんな山奥までやって来たはいいものの、既に終電は無く、 途方に暮れていた私がこの辺に引っ越したと言っていた彼の言葉を思いだし、藁にもすがる思いで連絡したのが三十分ほど前だ。 「いやすまん。助かったよ」 助手席に乗り込み礼を言いながら、計器の光に浮かび上がる友人の横顔を見ると、その口には火のついていない細巻きの煙草が揺れていた。 「煙草いいかい?」 「ああ。いいけど……やめたんじゃなかったか?」 その言葉が口をついてから私はそれが失言だったと思い直したが、吐いた言葉は戻せない。 友人は苦笑いを浮かべている。 「これを嫌う奴も、もういないからな」 「ああ……すまん」 遅い謝罪を口にした私に彼は気にするなと言いながら煙を吐き出し、ライトだけが見える農道に車を走らる。 かつて彼は煙草をやめていた。彼の妻がそれをとがめたからだ。 無表情で物静かなその妻が彼の健康を案じてたしなめていたと聞いている。 車は三十分ほどで彼の家についた。 居間のソファーに腰かけた我々は、前から二人で会うとそうしていたように、他愛もない話をしながら酒を酌み交わす。 日付が変わろうかと言う頃、不意に彼の視線がテーブルの端に置かれた写真に注がれる。 仕方のない事だ。そもそも我々の出会いはそこなのだ。 写真には彼と、彼の妻と、その沢山の仲間たちとが写っている。 彼を中心に身を寄せ合い、皆嬉しそうな笑顔で。 その姿を見て、私は取るべき態度をとる。即ち、彼の気が済むまで黙っているという事。 いつの間にか二人の間に出来たルールだった。 昔話になり、当時を思い出し、それにふけりたい時はそうさせる。 彼は今、あの頃に、少将に戻っている。――私がたまにそうするように。 と言っても――これもまた私がそうであるように――長い時間ではない。互いに孤独にも慣れる。 一年前、我々は提督だった。 艦娘を率い、彼女らに囲まれ、深海棲艦と戦う日々。 多くの提督にとって、苦楽を共にした艦娘達には愛着や信頼と呼ぶには強すぎる絆がある。 銃後の家族とのそれをも上回る強い絆が。 だからこそ、戦いを終えた時多くの提督達は困惑した。 艦娘達と引き離された事、彼女達が忽然と姿を消してしまった事。それらの真相を知る上層部が一切を秘密とした事。 だがそれすら、時間の経過は薄れさせていく――筈だった。 「なあお前、こういう話を聞いたことないか」 それから暫くして、私は再びあの日と同じ無人駅にいた。 同じように終電は既にないが、誰にも連絡はせず、ホームに一人佇む。 あの日、友人から聞かされた話。曰く『どこかに艦娘が暮らす世界に行く方法がある』 最初私は全く信じていなかった。お互い酔っぱらっていたし、そんなのはよくある与太話だ。 誰もが望むが故に生まれてくる夢物語。東では西にあると言われ、西では東にあると言われるような類の話。 だがその話をした数日後、彼が一通のメールの後に行方不明になった。 そしてその最後のメールにはただ一言『辿り着いた』とだけ。 彼は精神を病んでいたのだと理性では考える。孤独に慣れたと思い込んでいただけで結局耐えられなくなったのだ。 だが同時に感情は希望的意見を主張する。 結果、私は試すことにした――どこかで自分も“辿り着く”事を望みながら。 あの日彼が語っていた方法――提督が終電を終えた無人の駅で待っていると、暗闇からダイヤには存在しない列車が現れる。 行き先表示も何もないその列車には乗客もなく到着時のアナウンスもないが、ドアが閉まるまで後ろを振り返らずに乗車するとその世界に行ける。 正直、信じているかと聞かれればノーと言わざるを得ない。 だがそれでも試さずにはいられなかった。宝くじだって当たらないと言いながら買うのだ。 僅かな希望にすがって試す。自分も“辿り着く”事を、即ち壊れてしまう事をどこかで望んで。 私も所詮耐えられなかったのだ。 「……」 だから目の前の光景が信じられなかった。 音もなくホームに滑り込んだ、古い一両編成の列車は、ぼんやりと明かりを真っ暗な無人のホームに照らしている。 そちらに行く 数日前のメールに返信すると、聞いていた通り振り返らずに中吊りも何もない列車に乗り込んだ。 静かにドアが閉まり、真っ暗闇の中を滑り出す。 不意に瞼が重くなり、規則的に伝わってくる揺れが眠りへと引きずり込んだ。 どれぐらいの時間が経ったのか、気が付くと私はシートに座り船を漕いでいた。 車内には日の光が満ちて、青々とした田園風景の中を電車はゆっくりと走っている。 カタン、カタンと規則的に揺られながら、穏やかな日差しに照らされてのどかな景色を見るでもなく眺めている。 これは夢なのか、それとも―― 不意に電車がスピードを緩め、田んぼの真ん中で停車した。 駅、と言うより土塁と呼んだ方が近いような土を盛り上げただけのホームが見えて、私は不意にここが目的地だったような気がして席を立った。 ホームには聞き覚えのない駅名が記されている。表記からして終点ではない様だが、この次の駅も前の駅も聞き覚えがない。 「どこなんだ?ここは……」 思わずつぶやく。 田んぼの真ん中に走る単線。駅の周りは田畑に囲まれ、まっすぐに伸びた畦道が続いている。 遠くを見ると高く緑の山々が連なり、この辺り一帯はその山々に囲まれた場所であることが分かる。 のどかで、知らない場所の筈なのにどこか懐かしい、日本の田舎のステレオタイプな風景。 「提督」 懐かしい声、懐かしい呼び名に振り返る。 ホームの端に忘れようはずもない人。伊勢。今は艤装を外している、私の最初の戦艦。 「お待ちしていました」 最後にあった時と同じ屈託のない笑顔。優しく、柔らかな声。 温かいものが一筋頬を伝った。 「行きましょう。皆待ってますよ」 感無量とはこういう事を言うのだろう。 これが現実なのか、それとも幻なのか、そんな事はどうでもいい。 何か言いたい。けれど胸がいっぱいで何も言えない。ただ彼女の背中を追う様に後についていくことしか出来ない。 涙で歪んだ視界をごしごしこすって畦道を歩く。 遠くに軽トラが走っていく。ぽつぽつと田畑の隙間に点在する民家。路肩に放置された泥だらけのトラクター。死にたくなるぐらい懐かしい風景。 そんな景色の中を歩き続け、野菜の無人販売所のある角を曲がった時だった。 「司令官!」 振り返った先には里山のふもとに建つ、木造一階建ての、この村同様古く寂れた学校。その校門の前に立つ一人の少女。 セーラー服姿で長いサイドテール。健康的な少し日に焼けた肌。屈託のない愛らしい笑顔。柔らかな懐かしい声。 忘れもしない。大切な娘。 「綾波……」 名前しか言えなかった。それ以上は泣き声にしかならなかった。 泣きながら、子供のように大泣きしながら彼女を抱きしめた。 「おかえりなさい、司令官」 綾波の声もまた涙ぐんでいたのは、気のせいではないだろう。 それから暫くして、私と綾波は広い居間に卓袱台を挟んで座っていた。 二人に泊まっていけと連れてこられた古い日本家屋は、先程の校舎からほど近い所に建っている。 「ゆっくり寛いでいてくださいね。夕食の準備してきますから」 「あ、ああ……、悪いな」 伊勢がそう言って台所に行ってしまい、私は綾波にいくつか尋ねてみた。 「ここはどこなんだ?」 「ここは、私達のような艦娘が暮らす村。司令官と引き離されてから、ここでずっと待っていましたよ」 艦娘が暮らす村。これが私の脳が見せている幻覚でなければ、友人の言っていた噂話は本当だったのだろう。 「そうか、私も逢いたかったよ」 「えへへ」 恥ずかしそうに頬を赤らめ照れ笑いを浮かべる綾波。 彼女達と同じ空気を吸い、同じ時間を生きている。当たり前だったことがこんなにも素晴らしい。彼女達と引き離されてからそのことを痛感していた。 そうだ。逢いたかった。逢いたかったのだ。 どんなに慣れたふりをしたところで孤独は孤独。一度でも彼女達の、艦娘の温もりを知ってしまった以上は、それの無い人生は苦痛でしかなくなっていた。 「他の皆もここに?」 「はい。今日はもうすぐ日が暮れますから、明日以降に伊勢さんが他の人たちに紹介するって」 そう言われて、猛烈な郷愁に襲われた。懐かしい皆の顔。彼女達にまた逢える。 成程、彼と連絡がつかなくなった理由もよく分かる。 ここに居れば、もう外界なんて、艦娘のいない世界なんてどうでもよくなってしまう。 「そうか、皆いるのか」 「はい。この家も私と伊勢さんと、今日は当番で加賀さんの所にいっている敷波と三人で暮らしているんです。鎮守府みたいで楽しいですよ」 そう言えば、この家は誰の家なのだろう。 田舎の農家と言って頭に浮かぶ、これまたステレオタイプな木造一戸建て。 広い敷地と相応に広い建物。今では珍しくなった縁側が、これまた珍しくなりつつある畳敷きの広い居間の前に設けられ、 その先に広がる庭の隅、垣根の足元に朝顔が――綾波と敷波のものにそれぞれ名札付きで植えられている。 その垣根の向こうには、夕日に照らされた田畑が絵画のように広がっている。 この家といい、あの田んぼや畑といい、乗ってきた電車といい、この村には不明な点が多すぎる。 そもそも、この村の正確な所在も何もわからない。 「あっ、それ」 私の目線が朝顔に注がれていると思ったのか、綾波が立ち上がり、縁側に移動しながら語り始めた。 「私と敷波で毎日お世話しているんですよ。きれいでしょ~」 追いかけて縁側に腰掛けた私の横に綾波もちょこんと腰かけ、朝顔を眺める。 紫色に変わりつつある空の下、垣根の向こうから虫の音が聞こえ始めた。 初夏の夕暮れ。静かで平和でのどかな時間。 二人並んで縁側に座っていると、その中に溶け込んだような、目の前の景色の一部になったような気分になる。 ここがどこか?そんな事はもうどうでもいい。 結局そのまま、「ご飯ですよ」と伊勢に後ろから呼ばれるまで並んでいた。 「敷波バスに乗り遅れちゃって、今加賀ちゃんの家で一緒にご飯食べてくるって電話があったから三人でご飯ね」 「は~い。三時間待ちは大変ですからね~」 「三時間?加賀の家そんなに遠いのか?」 伊勢とそんな話をしながら食器と料理を運んできた綾波に思わず聞き返す。 「まあ、山一つですから歩けば四十分ぐらいですけど、バスが三時間に一本しかないので……村のあっち側に行く時はバスを考えて動かないといけないんですよ」 どうやらこの村はこの辺り以外にも集落があるらしい。それにしても中々な田舎だ。 「さあ、提督もご飯にしましょう」 「ああ、悪いな手伝わなかった」 「気にしないでください。さあ座って」 味噌汁、冷奴、山菜の和え物に肉と野菜の炒め煮のような物が湯気を立てている。 「「「いただきます」」」 三人で囲む食卓、誰かと食卓を囲むなど本当に久しぶりだ。 伊勢の手による料理はどれも美味しかったが、この雰囲気の中でなら磯風だろうが比叡だろうが誰の手によるものでも最高の食事となるだろう。 「「「ごちそうさま」」」 久しぶりの、本当に久しぶりの楽しい食事。 「片付けは私も」 食器を片づける伊勢と綾波にそう言ったものの、二人から丁重に断られてしまった。 その結果一人残された居間。静かになるとじんわりと実感が込み上げてくる。 また出会えた。また一緒になれた。そう思うと自然と顔がほころぶ。 二人が戻ってきたらここがどこで、どういう所なのか詳しく聞こう。 この近くに住めるところを探して、この近くで仕事を見つけて、彼女達と一緒に生きて行こう。 もし許されるのなら、彼女達のこれからを、平和の中にいる彼女達を見守っていこう。 元の暮らしに戻る気はない。彼女達に再び出会えたのに、そんな事をする必要はどこにもない。 その決意が固まった時、不意に瞼が重くなった。 世界がぐるぐる回る。体から力が抜ける。 重力に逆らえず、そのまま卓袱台に突っ伏し、意識を失った。 どれぐらい時間が経ったのか、私は冷たい尻の感覚に目を覚ました。 温かく明るい居間は、暗く冷たい石造りの密室に変わっていた。 燭台の上でゆらゆらと揺れる蝋燭しか灯りは無く、天井に近い小さな明り取りの窓は固く閉ざされている。これではまるで牢獄だ。 その暗い密室に、私は全裸で転がされていた。 「気が付きましたか?司令官」 暗闇に慣れてきた目を声の方に向けると、先程までと同じ綾波の姿があった。 「綾波!?これは……」 答える代わりに綾波は私の懐に飛び込むと、しっかりと抱きつきながら唇に吸い付いた。 「むっ……!?」 突然の行動に驚いている私の唇をこじ開けると、そこに彼女の舌が滑り込み、私の舌先を舐めつけていく。 くちゅり、くちゅりと淫らな音を立てたそれは、突然の事に準備が出来ず息苦しくなった私が半ば突き飛ばすように離れるまで続いた。 「あ、綾波……、これは一体……?」 「うふふふっ、司令官。私の初めて、あげましたぁ~」 そういって無邪気に笑う綾波。だがその目は熱を帯び、興奮した獣を思わせる。 「お前、どういう――」 「ああ、気付いたんですね提督」 混乱の中、何とか発した問いかけはもう一つの声で中断された。 「薬よく効いていたからもう少し寝てると思ったけど……案外早かったですね」 「伊勢……薬ってお前……」 扉の開く音、足音に続いて近くの燭台に影がかがみ込んだ。 薄明かりに照らされた伊勢の顔が浮かぶ。 「美味しかった?私の自信作ですよ」 この異常事態、人を一人監禁しているという状況に不釣り合いな屈託のない笑顔。 その笑顔が、私の心を読んだように説明を語り出した。 「提督から引き離された後いろんな事があった。けど、皆提督の事が忘れられない。 提督と一緒にいたかった。こうして世間から離れて暮らしながらその事ばかり来る日も来る日も考えていた」 ゆらりとろうそくの灯が揺れ、伊勢の瞳に反射した。 その目もまた、興奮した獣のようにぎらついている。 「気付いてました?皆、提督の事が大好きだったんですよ。勿論私も」 男冥利に尽きるカミングアウトだが、今この時にしなくてもいいだろう。 「だから決めました。いつか提督がここを見つけてくれたら、皆でここから離れないように繋ぎとめようって、二度と離れないようにずっと一緒にいようって」 ここから離れないように繋ぎとめる。全裸にして監禁。綾波の行動。答えは一つしかない。 狂っている。 じっとりと脂汗が背中を伝い、不意に一物を柔らかいものが包み込んだ。 「うわっ!」 「大丈夫です。綾波に任せてください」 いつの間にかまたぐらに潜り込んだ綾波の手が私の一物を上下に扱き始める。 「ぐ……っ、綾波……やめ……っ!」 幼い手の細い指が何度も何度も往復し、そのくすぐったいような快感は言葉とは裏腹に一物を大きく隆起させる。 吊り上るほどに膨張したそれを、今度は先程初めて接吻したという口が咥えた。 チロチロと拙い舌づかいで根元から先端まで丁寧に舐め上げ、小さな口の中いっぱいに加えたそれを前後左右から刺激する。 やがて勢いがついたのか、綾波はチロチロと舐めるだけでなく、口全体で扱き始めた。 吸い取られるようなその動きにあわせて、一物は既にはちきれんばかりに怒張している。 最初は示していた拒絶も、もうこうなってくると何の意味もなさない。 快楽が全身を駆けあがり、脳を制圧した。 「んむっ!?むぐっ……、けほっ」 限界に達した白濁が一斉に飛び出し、綾波の口内を満たした。 恐らく予想以上だったのだろう。驚いた様子で口を離した綾波は少しむせ、顔にも少し白濁がついている。 「よーし、上手い上手い」 わしゃわしゃと、伊勢が綾波の頭を撫でる。 「えへへ、司令官すごいですね。こんなに沢山……」 そう言って彼女はとろんとした笑顔を私に向けた。 恍惚状態の私は何も言えず、ただ快感の余韻に浸りながら暗闇の中に浮かぶ彼女を眺めていた。 「あっ、皆来たみたい」 不意に伊勢がそう言って小さな戸口を開ける。 現れるいくつもの人影。いくつもの獣の目。 「おー、提督遂に来たんだー、いや長かったねぇ」 「僕達みんな、提督を待っていたよ」 「嬉しいなぁ、本当に来てくれた」 懐かしい声がいくつも口々に歓迎してくれる。 どれくらいの時間が経ったのか。暗いここでは蝋燭の長さでしか時間が測れないが、さっき見た時は新しいものに交換されていた。 今どれぐらいの長さなのかは目隠しされているのでわからない。 「んっ……、むぐっ……」 温かい舌が怒張した一物を丁寧に撫でまわす。 もう何人も体を重ねたはずだが、伊勢の薬には精力剤でも入っていたのか、全く衰える気配がない。 そしてまた、吸われ、扱かれ、舐めまわされ、温かい口の中に吐き散らす。 「ぷはっ、んむ……」 何度かやると慣れたのか、もうむせることなくそれどころか噴き出したものをさらに舐めとろうとチロチロとすぐに舌が動き出す。 「はい、今のは誰ですか?」 後ろから両手で目隠ししていた娘――多分吹雪が尋ねる。 「うーん。これは磯波……じゃないな、綾波だ」 「わっ、すごい三連続正解!」 脇の方でもう一人の声――こっちはおそらく深雪だ。 あれからどれだけ時間が経ったのか、新しい蝋燭もすでに半分ほどになっていた。 今なら分かる。友人の連絡が途絶えたのは、なにか問題があったからではない。 きっと彼も、彼の妻たちに歓迎されているのだろう。ここから歩いて四十分ぐらいの所で。 「えへ、綾波上手くなりましたか?」 吹雪の手が離れ、またぐらにかがみ込んでいた綾波がにっこりと笑う。その笑顔は在りし日に私が愛した娘の、記憶にある中で最高の笑顔と同じものだ。 「もう出ても大丈夫そうですね」 きゃっきゃっとはしゃぐ駆逐達の後ろから伊勢が姿を現した。 開け放たれた小さな扉からはまぶしい朝日が差し込んでいる。 もし、このペースで毎日彼女達と交わり、完全に絞り尽くされたら?その時は用済みとして始末されるのだろうか? それとも私がもう完全にここに繋ぎとめられていると分かったらこのまま置いておいてくれるのだろうか? (まあ、今はどっちでもいいか) 駆逐達に手を引かれて外に出ると、太陽に目がくらむ。 そう、どっちでもいいのだ。今やるべきはそんな事に悩むことではない。 建物の外には大勢の艦娘達が待っていた。 私は彼女達を全力で愛そう。これまでの空白を埋めよう。狂わせてしまったその責任は取ってやらねばなるまい。 彼女達の目が、優しく、綺麗な目が一斉に私に注がれた。 「「「「「「ようこそ、しばふ村へ!」」」」」」 終 +後書き 939 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 01 21 41 ID 921OSk/2 以上スレ汚し失礼しました ゲーム中で言及(加賀の『赤城さん』等)が無い場合、戦艦組と空母組は結構フランクに呼び合いそうという妄想してたら加賀ちゃんと呼んでしまった 多分隣の駅はやどかり町 940 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 08 57 48 ID b9DAmT4o 乙です なるほど、例の話としばふ村の合わせ技ですか 941 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 20 05 35 ID irgmFds6 乙。しばふ村があるならやどかり村とかしずま村もあるはずだ! 942 :名無しの紳士提督:2016/06/06(月) 23 20 59 ID ZfNBQWDs 扶桑嫁提督の自分としては六花村(二人しかいないし六花屋敷?)監禁を希望する所存であります! じじ村だと比率的には2割の筈の駆逐艦がわらわら居そうで「ダメです」 943 :名無しの紳士提督:2016/06/07(火) 00 40 22 ID eBQT4Q4I bob村でなら骨を埋めてもいいなぁ これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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ありがとう ありがとー いつもありがとうー 本気 おはようございます カーンカーン どうかよろしく どっかーん なのです はずかしいよ ぱんぱかぱーん ふにゃっ ふわっ 引退 主砲撃て 出撃です 衝突 沈んだ敵 痛いって 那珂ちゃんスマイル 那珂ちゃんだよ 那珂ちゃんはみんなのもの 那珂ちゃんぱわーあっぷ 那珂ちゃん轟沈 那珂ちゃん魅力的 命中させる 問題ないですか きゅうそくせんこー んひゅ 少し疲れた 魚雷装填完了 魚雷入力完了 ロックオン 那珂ちゃん今日もかわいい 那珂ちゃんごきげん 那珂ちゃん現場入ります 那珂ちゃんオフ いたい? イクのー 19の魚雷
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前回の話 軍艦に限らず、"初期型"や似た意味の肩書きを持つものとはその能力に不安が残るのは当然の道理だが、 それでも何とかなって長く使われると言う事例のものは多い。 その例に漏れず、大日本帝国初の超弩級戦艦でありながら欠陥呼ばわりされてきた扶桑型も 多岐に及ぶ出撃や演習、遠征の甲斐あって、最近は貫禄が出てきていた。 おかげで、今日は午前のうちに南西諸島海域の敵影を鎮圧出来た。 しかし、執務を手伝う隣の山城を悟られないよう横目で見て思う。 この山城は貫禄があると思えば愛嬌もある事を最近の自分は見出してしまっている。 不自然に高い頻度で鉛筆の芯を折っては"不幸"だと呪詛のように呟きながら鉛筆を長時間削っていたり、 高い位置に置いてある書類の束を持って来させようとすると紙の雪崩が発生、 それに合わせてこけては白い山の中で"痛い"と悲痛な叫びを上げる。 今挙げた事は幾つもの逸話の極一部だが、 これだけでも山城の持つ独特の雰囲気は八分は理解出来ると言える。 山城は戦闘における練度が上がっても、根っこの部分は不変であった。 その愛嬌をもっと引き出そうと、最近は鉛筆を芯の柔らかい五Bの物に変えたり、 山城に手伝わせる書類の束を以前より分厚くした上でわざと高所に置き、 更に脚立まで紛失したように見せかけて工廠で解体して貰った事は秘密だ。 特に後者について、山城は自分と同じ位の背丈を持つ癖に、三度に一度はこけて紙に埋もれる。 ここまでやらかす頻度が高いと山城もまたわざとやっているのではないかと勘繰る。 愛嬌がある事に変わりはないが。 「……提督」 なんだ。 羨ましがっても私と同じボールペンは貸してやらないぞ。 お前に使わせると不幸故か短期間でインクが固結するに違いないんだからな。 「酷い言い方するのね。……じゃなくって」 羨ましがっていた事は否定しないのだな。 山城は私に訴えるような目付きで抗議してくる。 「提督の手が止まってます。……もしかして、提督も処理の仕方が分からない書類が出てきたとか?」 科白だけ聞けば健気に心配してくれているようにも聞こえるが、勘違いしてはいけない。 山城は私の汚点でも見つけたように にやにやした顔を向けているのだ。 此奴は私の弱みでも握りたいのだろうか。 握るのはその鉛筆と主砲の持ち手だけにしてくれ。 「別の考え事をしていただけだ。お前の助けは要らん」 「……この執務放り出していいかしら」 せっかく筆を走らせようと紙に目を落としたのに、また上げる事になった。 それはやめてくれ。 自分一人では満足に昼飯にもあり付けない。 「だったら今の発言取り消して下さいよ」 分かった。 悪かったよ、お前がいないと駄目だ。 最近は特に助けられているからな。 「も、もう。そこまで言いますか……」 山城は私から目を逸らしてそう呟いた。 そっちの方向には何もないぞ。 満更でもなさげなのはいいが、執務を再開しないか。 「は、はい。って、提督のせいなんですけ……」 ぐうぅっ。 「…………」 「…………」 なんだ。 こっちを見るな。 屁ではないぞ。 「ぷっ、あはは! まだ終わってないのに、正直ですねぇ」 五月蝿い。 空腹には逆らえんのだ。 少し早いが、昼食に……。 自分は言葉を詰まらせ、カレンダーを見やった。 そうだ。今日は土曜日ではないか。 無邪気に笑う山城に水を刺すように、思いついた名案を口にする。 「そうだな。今日は山城にカレーを作って貰おうか」 「くすくす……、え、カレーですか? 出来ませんよ、そんなの」 だろうとは思っていた。 山城に調理を手伝わせた事はなかったからだ。 だからと言ってそれを悪びれず言っていい理由にはならないぞ。 「私が作りながら教えるから。ほら行くぞ」 「提督が作るんですか!? ちょっと!」 …………………… ………… …… 「では、調理演習を始める」 提督は別の料理を仕込む間宮さんに断りを入れてから、焜炉を一つと割烹着を二つ貸してもらう事になった。 似合わない割烹着に身を包んだ提督は、本気で私の指導役を努める気の様子。 でも、それなら厨房を仕切っている間宮さんに教わった方がいいんじゃ……。 「間宮は見ての通り忙しいんだから駄目だ。カレーなら私でも上手くできる」 「いえ、後は煮込み作業だけなので忙しくはないんですけどね」 間宮さん、こう言ってますけど。 「……いいから始めるぞ」 提督は姿勢を揺るがせずに、迷わず戸棚や冷蔵庫から包丁や食材を取り出し始めた。 間宮さんも本当にやる事は終わらせたようで、提督に何も口出しせず黙って見ている。 私は間宮さんに近寄り小声で話しかける。 「間宮さん、大丈夫なの? 提督が料理なんて……」 「提督さんは出来る方ですよ。 特にカレーは自分好みの味がいい、って、ルウや食材を指定してまで秘書さんに教えてるんです」 間宮さんから教わろうとする私を止めたのはそういう理由だったのか。 我儘なところがあるのね。 でもこれって、私達艦も食べて良いように多めに作るんですよね? 提督好みの味にしちゃっていいの? 「提督さんのカレーは辛くないですし、味も良いので皆さんには受け入れられています」 「何を話している?」 「へっ!?」 私は素っ頓狂な声を上げた。 提督は馬鈴薯と包丁を手に持って、怪訝な顔付きで私達を見ている。 顔付きは険しいのに、割烹着と両手の物のせいで間抜けだ。 「ほら、山城さん」 私だけに聞こえる声で、間宮さんがとんと私の背を小さく叩く。 それに押されるように私は提督の傍に寄った。 「間宮の負担を軽減する為だ。しっかり覚えるんだぞ。まず馬鈴薯の皮剥きからだ」 壁にかかっている皮剥きの道具は無視ですかそうですか。 初っ端からハードルの高さを前に、私はやる前から根を上げたい思いに包まれた。 かつて鬼呼ばわりされていた私でも、戦争とは無縁のこう言った事に関しては何の予習もしていない。 「なんで人参は皮剥きの道具使って馬鈴薯は使わないのよ……」 「馬鈴薯は凸凹しているから大して効果はない。因みにそれはピーラーと言う」 ご丁寧に器具の名前まで教える提督は、人参の皮を剥く私の横で私の手付きを睨んでいた。 少しやり辛い。 それでも馬鈴薯に比べれば楽だ。 人参の皮はピーラーによってするすると簡単に剥けてくれる。 対して馬鈴薯の方は目も当てられない形に変えられた。 提督の手付きは確かなものだったけど、見ただけで会得出来るわけがない。 自分の不運さを恐れた私は、何も起きないようおっかない手付きで包丁を扱い、身も多く削って皮を向いた。 案の定、馬鈴薯は小さくなった。 馬鈴薯と同じ要領で、乱切りとかいう切り方でさっさと切ってまな板の脇に寄せる。 まな板が狭くなってきた。 「おっと、鍋を出してなかった。山城、そこの戸棚から鍋を」 忘れていたように提督が指を差す。 そこは頭より僅かに高い位置にある上の戸棚だった。 場所も覚えろという事だろう。 間宮さんより背丈ある私は台を探す手間を惜しみ、腕を伸ばして把手を引いた。 すると。 がらがらがしゃーん!! 「いっ! 痛い! ……やっぱり不幸だわ……」 戸棚を開くや否や、いくつもの金物が一丸となって私を襲ったのだ。 最初に一撃を頭にもらって床に尻餅を付いただけでは許されず、 更に多くの金物の雪崩が私や床に降り掛かる。 床に落ちた物は耳をつんざく不快な音で耳を攻撃してくれた。 私を心配する一人と一隻が慌ただしく私に近寄る。 「山城さん、怪我はない?」 間宮さんが、申し訳なさそうに私を見つめている。 戸棚を開けた直後の刹那、いくつもの鍋が整然と積まれていたのを見えた私は、間宮さんを責める気は起きなかった。 大丈夫よ。間宮さんは悪くない。 私の不幸が招いたんだし、寧ろ傍に間宮さんがいなくて良かった。 「大丈夫か!?」 提督は必死の形相で私を見つめている。 こんな事は日常茶飯事なのに、まして敵駆逐艦に攻撃されるよりも軽い程度なのに、 提督の形相は私が敵戦艦から被弾されたときと同じだった。 馬鹿じゃないの。 何の問題もない意を伝えて頭に乗った鍋を退かす。 「あ、山城……」 提督が何かに気づいたように私の名前を呼び、不意に手を伸ばしてきた。 何故か、スロー再生されているような感覚に陥る。 そのとき私は秘書に舞い戻ってすぐの、あの出来事が脳裏に浮かび上がっていたのだ。 あのときと違い恐怖感は感じていないが、咄嗟の事で私は目を瞑る。 ――な、撫でられ―― 「……?」 目を開く。 提督が撫でているのは、艦娘として蘇ってから持った頭部ではなかった。 私が艦の頃からの頭部。 提督は私の艦橋を触っていた。 迎撃しようとしていた私は、思わぬ勘違いをやっと自覚し、羞恥に悶える。 これではまるで期待していたみたいで……。 「艦橋が壊れているじゃないか」 「え? ……」 一先ず調子を取り戻そうとする前に、提督の言葉に私は耳を疑った。 呆けて自分の頭にそびえ立っているはずの艦橋の具合を確かめようと手を伸ばす。 ぴと。 「……っ!」 ――い、今提督の指に当たった? 当たった!?―― 硬い鉄の感触だと思ったら感じたのは柔らかくはない肉の感触。 私はたったそれだけの事に驚いて手をさっと引っ込めた。 提督もまた私の様子に驚いたように手を引いた。 訪れる謎の沈黙。 どうしよう、この展開。 ほら、後ろの間宮さんも微笑ましいものでも見るようないやらしい目になってるわ。 提督は早く何か言って下さいよ。 「……か、艦橋はデリケートだから、あまり触らないで頂けますか」 あれ。 冷静に動転した私は、誰かの科白を引用、というより盗用してしまったような気がする。 私が不幸で間抜けな姿を晒してしまった事が。 心配してくれる提督が私の繊細な艤装に触れた事が。 提督の手と私の手が当たってしまった事が。 多くの要因が重なって羞恥に悶え、少し汗ばむ程に顔を熱くさせる。 心配する提督の手を突っぱねるように頭を小さく振るが、 提督は提督でどう反応したらいいか困ったように言葉が出ないらしい。 間宮さんの鶴の一声があるまで、私と提督は沈黙の渦潮に巻き込まれたままでいた。 間宮さんが鍋の山を戸棚に戻し始め、 それに合わせて普段の調子を取り戻した提督のおかげで作業は再開された。 不幸ぎりぎりの淵を歩くように危なっかしくも下ごしらえを済ませる。 鍋を焜炉に設置し、仕込み作業も終えて煮詰めてゆくだけとなった頃、時計は正午を過ぎていた。 灰汁もそれなりに取り除き、具材に火が通るまでの時間が退屈だ。 「カレーの隠し味に、チーズや蜂蜜を入れる手もあるそうですよ」 「色々あるんだな。私はチョコレートを入れる話を小耳に挟んだ程度でよく分からなくて……」 鍋を注意深くじっと見つめる振りで、私は提督と間宮さんの談話に耳を傾けていた。 間宮さんと料理談義なんか出来る提督と違い、私は経験がないからそんな話は出来ない。 置き去りにされた心境だ。 楽しげに にこにこ笑う間宮さんの隣で、私に背を向ける提督がどんな顔で談話に励んでいるか分からない。 この境遇に私は不満を覚えるようになってくる。 決めた日の深夜には誰もいない海辺で提督ともやもやを共有しているのに、 私だけがこのもやもやを味わうのは初めてのことだった。 非常に気に入らない。 これも自分の招いた不幸というやつなのか。 でもカレーを作ると言い出したのは提督だし。 私はカレーが煮上がるまで、こうした煮え切らない思いを誰にも気づかれずふつふつと一人煮込んでいた。 「どうだ?」 「美味しいです……」 皿によそったカレーライスを口に含み、代わりに私は提督がお望みだろう言葉を口にする。 実際美味しいと言えば美味しいのだけど、私は未だに煮え切らない思いを抱えていて、 笑って喜ぶほど味は伝わってこない。 自分の声が著しく低くなっているのが自覚できる。 私のそんな調子を知らない提督は首を傾げ、自身の分を口に運ぶ。 「こんなものだな。今は一先ずカレーだけでいいから、山城もこれくらいの出来を目指して欲しい。 私も演習は付き合うから」 山城"も"。 敵艦が放って私に向かってくる弾丸をぼけっと見つめていたり、 降ってくる書類や艤装や鍋の山に反応出来なかったりするくせに、提督の言葉に私は敏感に反応した。 "も"という辺り、また間宮さんも言っていたように提督は色んな艦と演習をしてきたんだ。 提督がそういった意味で放った証拠や確信はないのに、私は勝手にそう思い込む。 「……随分と、間宮さんと仲が良いんですね」 ――私情で艦と談笑に励む姿なんか全く見せないくせに―― 私は言葉の後に心の中でこんな嫌味を付け加えた。 私だけだと思っていた。 出撃や作戦会議以外の用事で艦娘を呼び付けることがなく、 たまに工廠へ行けば建造の指示を出し、入渠中の艦娘がいる修復ドックへは近づこうとせず、 毎日足を運ぶ食堂も注文して完食して挨拶だけして終わり。 多くの艦から提督への印象を推測すると、"普通の上官"でしかないだろう。 今までそう思っていた。 「うん? 偶に話す程度だよ」 食事の時間のためか、提督の口調は煮通った馬鈴薯のように柔らかい。 "偶に話す"にしてはカレーの煮込み時間を有効に潰してましたね。 数ヶ月秘書を続けても、提督の知らない部分はまだまだあるようだった。 厨房に張り付いている間宮さんの方が、私より知っているんじゃないか。 空いた時間に提督と談笑できる事と、できない事。 この事柄だけでもその差をよく表している。 私は考え事をしながらもそもそと口を動かしているが、提督はもう皿の半分は消費したようだった。 そして不意に口を開く。 「近いうちに山城の作る美味いカレーを食べたいものだな」 間宮さんが言っていた言葉を思い出す。 提督は間宮さんを気遣う事を言っていたけど、本心はこの科白なんだろうか。 腹で鳴いた虫を押さえつけて私に指導するくらいだし。 私の願いを受理しそのまま数ヶ月経つ時点でそうなのだけど、嫌われているというのは私の思い違いで、 こう言われてやっぱり提督から悪くは思われていない事を改めて噛み締める。 不思議と陰鬱な気分はどこかへ吹き飛び、提督を見上げた。 提督は、少し照れ臭そうに口角を上げていた。 私は湧き出た感情をよく分からないながらも素直に受け入れ、顔には出さずに思う。 やっぱりこの人なら、私に幸せをもたらしてくれるに違いない、と。 …………………… ………… …… 演習を終え、執務を終え、明石さんに欠けた分の艦橋を作ってもらい、今日やらなければいけないことは終わった。 夕飯も済ませ、一日の疲れをドックにてお湯で流してみれば、海は不気味な闇に包まれたばかりだった。 だが、かつての悪夢の舞台であった海のことなんか全く気にせず、 私は私なりに身の清め方を念入りに考えながらドックに入り浸っていたことを振り返る。 普段通りに疲れを流して早々と出て行った姉が、 自室で再会してみれば普段よりも早く眠りに就いていたのが不思議だったが、 私は眠る姉に小声で謝罪の言葉をかけてきた。 日付が変わるのを待たずに、誰もいない執務室の奥の扉を叩き、最早慣れた言葉をかける。 「今日も、月が綺麗ですね」 『…………。そうかもな』 沈黙の後、扉越しで入室の許可が降りたので、私は扉を開けた。 提督は、起き上がって寝具に腰掛けて待ち伏せていた。 じっと提督の目を見つめ、後に引けないよう後ろ手に扉を閉める。 「前に私がお願いしたことの三つ目、覚えてますか」 「……よく覚えているよ」 提督は、今更何を言い出すのだろうとでも言いたげに少し間を置いてから返した。 今更なのは私もよく分かっているけど、構わず俯くように頭を下げる。 「ごめんなさい。あのとき私は自分と提督に嘘をついていました。 ……でも、あのときから私は自分にとっての幸福を考えてきたんです」 今までの事を振り返ってみれば思い浮かぶのは、後継の戦艦組のこと。 私の練度は上がってきたが、元々の性能に大きな高低差があるので結局は勝てない。 練度があの戦艦組より上になっても、 敵艦を一撃で葬れる能力に勝ることはできない。 練度を上げれば上げるほど私の実力を明確に見つめられるようになっていき、 私の劣等感はますます強くなってきたのだ。 いくら頑張ったところで生まれ持った錘は断ち切れない。 「もう不幸から抜け出す事は諦めましたけど、それが辛くなくなるくらいの幸福が欲しいんです」 近代化改装を行えば別の欠陥が浮き彫りになる経緯を嫌というほど歩んできた私。 一度死んでから艦娘として蘇生されても、私が"山城"である以上、ついて回る欠陥の肩書きからは逃れられなかった。 私はその事を悟った。 だから、もう"山城"なんてどうでもいい。 解体されて艦娘としての戸籍を失ってもいい。 私はそういう気持ちで提督に追加でお願いをする。 「……おいで」 黙って話を聞いていた提督が私を招く。 よく分からないまま、私は寝具をぽんぽん叩く提督に従い、上がり込んで横になった。 それを見届けてから、提督も同じように狭い寝具に潜る。 私と距離を開けるように落ちそうなくらいに寝具の端で横になり、布団をかけてしまった。 「……え?」 素っ気なく天井を向く提督の意図が分からない。 私の話が聞こえなかったのだろうか。 横顔を見せる提督はそのまま不意に口を開いた。 「こういうのも、幸せの一つだと思うんだが」 私は頭が真っ白になった。 これが私の望んでいたことだと? ふざけないで下さいよ。 私は提督の作戦に、初めて異議を唱える。 「……!」 私は、ばさっと提督のかけた布団を乱暴に退かした。 床に落ちたが汚れることなんか気にせず、 私は提督に馬乗りになってその両手首を鬱血するほど握り締め寝具に強く押し付ける。 思いのままに激情で声を荒げる。 「私じゃ駄目なんですか!?」 「確かに私は欠陥ですけど! 一回くらい大きな幸せを望んだっていいじゃない!」 「落ち着け」 だが、馬乗りにされて身動きの自由を奪われても提督は抵抗しない。 見下ろす私を睨みつけることもしない。 ただ真顔で私の目を見つめるだけ。 ただ静かな声で私を嗜めるだけ。 「別に山城が幸せになっちゃいけない訳じゃない」 「私が他人に幸せなんか与えられると思ってないだけだよ」 私はそれを聞いて、艦橋に昇っていた血が引いていく感覚を覚えた。 すーっと冷静になった私は改めて提督の目を覗く。 提督はあくまでも他人事のような口調でいたが、言霊とは不思議なもので、 そんな嘲笑うような話を聞くと提督の目から覇気がなくなっているように見える。 提督はやっぱり、根っこのところは私と似ている。 この人も結局は自信なんかないのか。 この湧き起こる感情はなんだろう。 同情ではないはずだ。 そういった哀しい気持ちではない。 私はこうして馬乗りになっていなければどこかへ消え入りそうな提督に、鎖になるような言葉をかける。 「私の幸福のためには、提督が必要なんです。私に幸せを教えて欲しいんです」 「提督の手で、私を近代化改装して下さい」 …………………… ………… …… 提督は再び寝具に横たわるよう指示したが、今度はしっかりと私に向き合ってくれている。 巫女服の帯を外され、前を肌蹴させられる。 まるで明石さんや妖精さんに見て貰っているみたい。 でも全然違う。 「ど、どうですか? 私の艦体、欠陥とかありませんか……」 恥ずかしい。 欠陥持ちの自身を提督に全て曝け出すのに抵抗が全くないと言えば嘘になる。 自信なんかなくて、晒された胸を、腹を両手で隠す。 「確かにお前は欠陥持ちなのかもしれないな」 私を見下ろす提督は無慈悲にもこう放った。 とてもぶっきらぼうで、心のどこかでそれを否定してほしかったと悲しむ自分がいる。 だけど、提督の言葉はそれで終わりではなかった。 「只、それ以上に山城には魅力を感じる」 ――やっぱり、反則だわ―― 私の凝り固まっている心と身体は、いとも容易く提督に解されていった。 私の身体が欠陥持ちなせいで、簡単に弾薬庫に引火する。 消火もままならず、優しいながらもその中に激しさを含んだ手付きで提督は私を溶かし、 新たな形へと近代化改装させていく。 私の身体が私の身体でないみたいに、提督のものになったようになる。 自分の制御が全く出来なくなり、 熱い海に漂流したころ、提督は一旦手を離して意味の分からないことを囁く。 「あのな。本当の夜戦というのは、ここからなんだよ」 「はぁ……、はぁ……。え……?」 夜戦? 近代化改装? もうどっちだか分からない。 どっちでもいい。 ぼんやりした頭では考えられない。 とっくの昔にスカートを外され、色気皆無の褌も緩められ、 何も遮るものがない私の足の間を提督は割って入ってくる。 次は何が来るのかと予想もできないまま、私は突然もたらされた痛みに悶えた。 「痛っ、ぃ……! やっぱりふこっ……、だわ……!」 苦しい。息が乱れる。 悲鳴を上げずにいられない。 寝具の布にぎゅっと捕まる。 強く瞑った両目のうちの片目を開けてみると、私の下腹部と提督の下腹部がくっついていた。 いつの間にか肌蹴ていた提督の下腹部から伸びる砲身が、直に私を貫いていた。 「辛いか……抜こうか」 提督が下腹部を引こうとする。 ずずっ、と、狭い私の中を提督の硬い砲身は動く。 痛いにも関わらず、私は反射的に声を絞り出す。 「あっ……、だ、駄目です……。幸せのためなら、これくらいの痛み……っ、 ひっ、ぐ……、ここまで来て、やめるなんて……!」 「……ゆっくり進めるから、我慢してくれ」 提督はそれだけ呟いて、引いたそれを再び私の中に押し込む。 潤滑油が不足しているというよりも私の中が狭すぎる故か、動きは良くない。 「ぁ、あぁっ、いや、いやぁ、あぁ、ああぁあぁ……」 やめてほしい。やめてほしくない。 私の葛藤は互いに勝敗が決まらず、その戦況が自然と口で提督に報告される。 ぐちゃぐちゃになった思考は提督にずんずんと突かれることで、更に攪拌されてゆく。 いつまで経ってもそんな調子でいる私に痺れを切らしたように、提督は行動に出る。 みっともなく揺れる私の胸を。 忙しなく左右に振る私の頭を。 提督は情を込めた手付きで私を扱ってくれる。 大切にされている。 乱れる心情の中、提督の思いは一直線に私の中を貫いた。 私の奥に、提督の熱いものが、熱い思いが、絶えず何度も何度も強い衝撃で届けられる。 「あっ! あう! んっ、んんっ、んや、や、ぁ、私、こんなのっ、知らな、いぃっ!」 どれくらい突かれただろう。 いつの間にか私は苦痛から解放されて、脇目を振らず声を上げていた。 提督の動きも速いものに変わっている。 私がそれを止める選択肢はなく、全ては提督に託している。 身体全体の、特に下腹部の熱が提督の動きに合わせてじんじんと脈打つ。 もうこれ以上は無理だと訴えかける奥底の私の小さな叫びは伝わることなく、無理矢理上り詰めていく。 そして。 「くっ……!」 「あっ……、ああああああぁぁっ!!」 提督が砲身を私の奥に叩きつけ、硬直した。 提督の砲身が私の中で膨らみ、その直後、私の最奥を熱い何かが満たしてゆく。 私の弾薬庫はそれに引火し、爆発を起こした。 全身が痙攣する。 提督から発射された弾丸を愚直に受け止め、私は何もできない。 しばらくして提督の砲撃はやっと収まり、やがて砲身が私の中から抜き出された。 「はあ、はあ……。近代化改装、これで、いいだろう……?」 提督はそんなことを聞いてくる。 成功したと思う。 提督の熱いものは貰ったし。 しんどかったけど、最後はその、気持ち、良かったし……。 確かに、幸せ、だった。 しかし私は息を荒げながら小さく顎を引くだけしかできず、息を整えたときにはもう意識が落ちていた。 …………………… ………… …… 翌日。 何事もなかったかのように朝は始まった。 実戦の先駆けに演習を行うと、とても調子がいい中勝利判定を得られた。 気を良くした提督は、褒められて気を良くする私に、 私だけに分かるようなほんの僅かな程度に含み笑いを浮かべて言う。 「山城は昨日久し振りに近代化改装したからな。頑張るんだぞ」 私が昔に近代化改装の限界を迎えている事を知っている随伴艦は戸惑う。 姉はどうなのか分からないけど、そんな姉含む随伴艦の様子を尻目に私は密かに優越感を感じていた。 ずっと前は責任感だとか義務感だとかで海へ出ていたけど、今は違う。 ついてきてくれる姉に褒められたくて。 帰りを待つ提督に褒められたくて。 姉や随伴艦を率いて、暁の水平線に勝利を刻む約束を、提督と刻む。 「提督……山城、必ず帰ってきます」 私は艦隊の先頭に立ち、岸壁から海面へ意気揚々と進水した。 陰りない朝日が、海面の波をきらきらと白く輝かせているのが眩しかった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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新海域の攻略で忙しく、最近ご無沙汰だった提督の性欲が薬の効果で完全に暴走 理性を無くした提督に無理やり服を引きはがされ、乱暴な愛撫を受ける鈴谷 「ちょ、ちょっと! 興奮しすぎ……!」と非難の声を上げる鈴谷の口内に 既にガチガチに勃起していた提督の肉棒が喉奥まで突きこまれる 普段は肉棒の外側に舌を這わせたり、亀頭から少し先までを口に含むという ままごとのような拙いフェラしかしてなかった鈴谷は目を白黒させて 必死に抵抗しようとするも、頭を提督の両手でがっちりと抑えられて オナホールを扱うように容赦なく腰を振られ、肉棒で喉を擦りあげられる 気道を強引に塞がれ、えずく鈴谷 初めのうちは見せていた反抗心もすぐに薄れ、今は完全に恐怖で体が固まっている 自分の唾にまみれた肉棒を、無言で飲み込ませようとしてくる提督 日常生活でも、セックス中でも、常に自分の体を気にかけてくれる提督が 自分の性欲のためだけに行動している、というその事実が鈴谷の体を竦ませる 普段はキスをして愛を確かめあうための唇を、剥き出しの性欲の塊に限界まで押し広げられて 気力と体力をこそぎ落されながら、なすがまま涙がにじんだ目で口内の蹂躙を受け続ける やがて提督が鈴谷の唾液にまみれた肉棒を引き抜き、唇から唾が糸を引く 喉を塞がれ続けて酸欠ぎみになった鈴谷は、提督の両手が頭から離れたとともに その場にぐったりと横たわり、ひゅう、ひゅうと喘鳴を漏らす そんな鈴谷を提督が労わる様子は微塵もなく、目を血走らせて荒い息を吐きながら 鈴谷の両足を押し広げる。いつのまにか失禁していたのか、 ぐちょぐちょに濡れていた下着をずらし、肉棒を秘部にあてがう 「……や……ゴム、つけ……」とかすれた声で訴える鈴谷を無視し、 普段のものより一回り以上も肥大化した肉茎を一気に挿入した 勢いのついた陰茎が、一瞬で鈴谷の膣奥に到達する その瞬間、鈴谷は、自分の子宮がぐちゅっと押しつぶされる音を確かに聞いた 衝撃は体の中心を通して脳にまで伝わり、意識が真っ白に吹き飛ばされる 双眸は限界まで見開かれ、呼吸は止まり、息を求めてぱくぱくと口が開閉し 体は一瞬で限界までのけぞり、乳房が大きく真上に突き出される 肉棒は狭い膣道を何倍にも拡張させ、六割程度の挿入で亀頭が壁に突き当たるが それでも提督は強引に腰を進ませ、無理やり根元近くまで自らの陰茎を埋めこんだ いつも受け入れているものとは段違いのサイズに、膣口がみちみちと悲鳴を上げる がくがくと体を痙攣させる鈴谷を尻目に、 提督はさらに腰を押し付けて、限界まで挿入できる位置を確認すると 勢いよく腰を引き、ぬめついた肉棒を叩き付け、容赦のない激しい抽挿を開始した 破れた服から剥き出しになった豊かな乳房をもみしだき、しゃぶりつきながら 愛液のしぶきを上げて陰茎が鈴谷の膣に出し入れされる 鈴谷はろくに呼吸も整わないうちから激しい衝撃を受け続け、 もはや気絶寸前の状態でかろうじて意識をつないでいる 一突きごとに、飛び上がるように大きく跳ねた そのたびに肺胞からはなけなしの酸素が絞り出され あー、あー……と、息絶える寸前の獣のような声が漏れた 深海の底から見上げる海面のように揺らいだ視界の中に、 鈴谷はうっすらと写りこむ提督の顔を見た 自身が黒く塗りつぶされていく感覚の中で、 鈴谷はなぜか、自分でも表現のしようのないほどの多幸感を得ていた がむしゃらに腰を打ち付けていた提督の動きが急に止まる 鈴谷の胸や、床を押さえていた両手を彼女の体の下に回すと 突然、提督は勢いよく鈴谷の体を持ち上げ、駅弁の体勢に移行した 衝撃で鈴谷の首ががくんと後ろに振れ、そして前方に揺り戻されて力なくうなだれる 次の瞬間、彼女は不思議な浮遊感を得た 提督が鈴谷の体をさらに持ち上げ、そして体を支えたまま少しだけ自由落下させたためだ 同時に提督は、彼女の体を浮かせると同時に亀頭近くまで肉棒を引き抜き そして鈴谷の体が落下する瞬間に、全力で腰を突き出して陰茎を膣奥に叩き付けた ぶちゅんっ、と粘液の固まりが弾けるような音が響く その致命的な衝撃は、鈴谷の子宮を中心にして一瞬で全身に伝わる 脳内で太い糸が引きちぎられるような感覚を覚えたとともに、 今度こそ彼女の意識は完全に途絶えた 眼からは光が消え、全身が死体のように弛緩する 一筋のよだれが垂れ流れされている唇の端は、なぜか笑みの形に歪んでいた その間も提督は、自分だけが最大限に快感を得られるよう必死に腰を動かしている 肉棒が引き抜かれるたびに愛液が掻き出され、床の染みを広げ続けている 膣壁を絶えず擦りあげられながらも、もはや鈴谷は声を上げることもなかった 肉棒の上下運動に合わせて、胸だけが激しく揺れ動くだけである その端正な眼や口、鼻からあらゆる体液を垂れ流しながら、 提督の抽挿に合わせて潮を吹くだけの肉人形と化していた 室内に淫靡な水音と、男の荒い息遣いだけが延々と響き渡る だが、そのうちようやく提督にも限界が訪れた 呼吸は呻くような音に代わり、挿入の勢いはますます激しくなって 射精の瞬間が近いことを知らせている 提督は互いの胸が密着するほど、鈴谷の体を強く抱きしめなおした 気絶した鈴谷の、垂れ下がった頭部が提督の胸板に押し上げられて顔面があらわになる 死んだ魚のような目をし、口をだらしなく半開きにさせ、 涙やよだれにまみれて汚れきったその顔を見た提督は 相手を威嚇をする猛獣のごとく大きな唸り声を上げ始めた 『今抱きかかえているメスを犯して射精する』 『子宮を自分の精液で埋め尽くして、このメスを孕ませる』 そう思考が埋め尽くされ、もはやただの一匹の獣として陰茎を付きこみ続ける そして最後に、初めと同じようにメスの体を持ち上げ落下させると同時に 肉棒を子宮口に直撃させ、最大限の号砲とともに精液を解き放った びゅっ、びゅる、びゅく、びゅうっ 男の全身が痙攣し、陰嚢が震えるたびに大量の精液が送り出される 普段の男とは比べ物にならないほどの量が、膣奥を目指して上り続けていく 全身の血液を股間に集中させ、それをそのまま送り出すイメージをしながら どぷどぷと白い液体を注ぎ続ける 女の膣内を埋め尽くしてもまだ止まらない白濁が、 陰茎と膣口の結合部から漏れ出してぼたぼたと滴る 男の尿道が膨らむたびに、中の液体が押し出されて 床にできた愛液の水たまりに白い汚れを広げていく やがて男の痙攣が収まり、射精の勢いが止まるまでの数分の間に 床の汚れの割合は完全に白いものに取って代わられていた しかし、それでもなお薬の効果は完全には治まらず、 その後も部屋中のいたるところで、あらゆる体位で 提督は鈴谷の肉体をむさぼりつくした その度に床の溜まりは増え続け、最後には互いに互いの体液を 全身にまとわりつかせながら、提督は最後の射精を終えた 力を使い果たし、いつの間にか眠っていた提督が目を覚ます 異変を感じて飛び起きると、知らないうちに自分が全裸になっており べたべたに汚れた床の上に寝転がっていることに気が付く 状況を理解できず、あたりを見渡した提督の視界の端に 自分が心から愛している鈴谷の姿が写った 乾ききった涙の後、全てを諦めたように暗く沈んだ目 いくつもの噛んだ後がはっきりと残る乳房 びりびりに破られてもはや使い物にならなくなった服 股間に白濁液の溜まりを作り、まだなお精液を垂れ流し続ける秘部 まるで激しい輪姦を受けた直後のような、痛々しい状態の彼女を これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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カード図鑑 コスト:1 各カードの情報を1ページ毎に分割して作成し、 #include_cache(ページ名)によって読み込む形式で作成しておくと コスト別など他の分類の一覧を作成したいときにも利用できるので便利です。 なお、各カードを1ページにして、include_cacheを使用した場合 一つ一つのコンテンツの幅が崩れてしまうことになるかもしれません。 そういった際には、管理画面からcssを指定すると幅を揃えることができます。 例) .cardlist table{ width 90%; margin 0px; } を設定する。 アイコンと書かれている部分を image(画像URL,title=画像名,linkpage=図鑑/カード名)とすると 画像リンクを張ることができます。 image()の詳しい使い方はこちらのガイドを参考にしてください。 名称:テンプレート1 レアリティ:☆1 アイコン編集 タイプ・属性 火 レベル 1(10) 入手先 入手先1入手先2入手先3 成長タイプ 普通 攻撃 100(1000) コスト 1 防御 100(1000) 売却価格 100 スキル スキル1